• 2022年4月3日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【使徒の働き16章6節~11節】(新約聖書p.267上段右側)
    16:6 それから彼らは、アジアでみ言葉を語ることを聖霊によって禁じられたので、フリュギア・ガラテヤの地方を通って行った。
    16:7 こうしてミシアの近くまで来たとき、ビティニアに進もうとしたが、イエスの御霊がそれを許されなかった。
    16:8 それでミシアを通って、トロアスに下った。
    16:9 その夜、パウロは幻を見た。一人のマケドニア人が立って、「マケドニアに渡って来て、私たちを助けてください」と懇願するのであった。
    16:10 パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニアに渡ることにした。彼らに福音を宣べ伝えるために、神が私たちを召しておられるのだと確信したからである。
    16:11 私たちはトロアスから船出して、サモトラケに直航し、翌日ネアポリスに着いた。

    ◎メッセージ【マケドニア人の幻】
    《アンティオキア教会から二つの伝道旅行チームが出発しました。一つのチームは、舟で故郷キプロスに向かったバルナバと従兄弟ヨハネ・マルコ。そしてもう一つのチームが、パウロとシラスでした。二人は陸路を通って、デルベそしてリステラに行きました。
     そこで愛弟子となるテモテと合流し、ピシディアのアンティオキアに向かいます。そこからローマの属州であるアジア地方に向かおうとしました。そこにはコロサイやエペソがあったからです。
     しかし、「み言葉を語ることを聖霊によって禁じられた」とあります。これはどのようなことでしょうか。預言者シラスが同行していましたから、直接聖霊がシラスを通して示されたのかも知れません。パウロたちは、さらに陸路を通り、港町トロアスに向かいます。パウロはこの地でマケドニヤ人が自分を招く幻を見たのです。
     さて、使徒の働きを執筆したのは、ルカですが、16章6節では「彼ら」と書いています。しかし16章10節では「私たち」となっています。つまりルカが加わったと言うことです。
     その後、彼らが港町トロアスから舟で移動し、ピリピに滞在した時までは、「私たち」となっていますが、ピリピを去ってからは、再びパウロとシラスに戻ります。つまりルカが、伝道チームの一行から離れたことを意味します。
     それでは、なぜルカが、トロアスにやって来たのでしょうか。また、「イエスの御霊がそれを許されなかった」こととは、どのようなことなのでしょうか。
     多くの聖書学者の意見は、この時パウロが体調を崩したことと理解しています。それゆえ、アンティオキアから医者ルカがやって来たのです。アンティオキアにいたクレネ人ルキオこそが、ルカと同一人物であると思われます。
     パウロは、ガラテヤ書に『あなたがたが知っているとおり、私が最初あなたがたに福音を伝えたのは、私の肉体が弱かった為でした。そして私の肉体には、あなたがたにとって試練となるものがあったのに、あなたがたは軽蔑したり嫌悪したりせず、かえって、私を神の御使いであるかのように、キリスト・イエスであるかのように、受け入れてくれました。』と証ししています。
     ここから、第1回伝道旅行のさいに、リステラで「石打ちの刑」にあったことから、パウロに与えられた「トゲ」であったことがわかります。それゆえに、「イエスの御霊が許されなかった」と言うことなのです。
     さて、トロアスにおいて、パウロは夢を見ます。一人のマケドニア人が、「マケドニアに渡って来て、私たちを助けて下さい」と、懇願するのです。
     この幻によって、主イエスは、ヨーロッパ伝道への道を開かれるのです。それゆえ、ピリピ、そしてテサロニケ、およびコリントの町々に福音が宣べ伝えられ、教会が建設されることになって行きます。この幻は、実際に、マケドニアに存在する一人の飢え乾いた魂が、熱心に神様に祈り求めていたからこそに違いありません。
     このように、主の御心に叶う熱心な真の祈りは必ず答えられるのです。主イエスは祈りを聞いて下さるお方です。私たちには助け主がいます。私たちは、誰に向かって祈りを捧げるべきか、また誰の御名によって祈るべきかを知っています。》

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