◎本日の聖書箇所【使徒の働き24章22節~27節】(新約聖書p.286下段左側)
24:22 フェリクスは、この道についてかなり詳しく知っていたので、「千人隊長リシアが下って来たら、おまえたちの事件に判決を下すことにする」と言って、裁判を延期した。
24:23 そして百人隊長に、パウロを監禁するように、しかし、ある程度の自由を与え、仲間の者たちが彼の世話をするのを妨げないように、と命じた。
24:24 数日後、フェリクスはユダヤ人である妻ドルシラとともにやって来て、パウロを呼び出し、キリスト・イエスに対する信仰について話を聞いた。
24:25 しかし、パウロが正義と節制と来たるべきさばきについて論じたので、フェリクスは恐ろしくなり、「今は帰ってよい。折を見て、また呼ぶことにする」と言った。
24:26 また同時に、フェリクスにはパウロから金をもらいたい下心があったので、何度もパウロを呼び出して語り合った。
24:27 二年が過ぎ、ポルキウス・フェストゥスがフェリクスの後任になった。しかし、フェリクスはユダヤ人たちの機嫌を取ろうとして、パウロを監禁したままにしておいた。
◎メッセージ【カイサリアにおける二年間】
《引き続き、パウロのカイサリアにおける裁判からです。弁護士テルティロが、パウロの訴えの理由を述べた後、総督フェリクスは、パウロに弁明を許可します。その弁明を終えた後の場面になります。
フェリクスは、解放奴隷を地方官に任命するクラウディウス帝の政策によって、紀元52年から59年までユダヤの総督となりました。しかし、彼は弾圧によって治安維持をはかろうとしたのです。カイサリアで混乱が生じた時、ユダヤ人を多数殺害し、あまりの強圧的な統治のため、ユダヤ人の代表たちがローマへ行き、フェリクスを訴えたのです。それゆえ、ネロはフェリクスに代えてフェストゥスをユダヤの総督にすることになります。
さて、数日後のことです。フェリクスはユダヤ人である妻ドルシラと共にやって来て、パウロを呼び出し、主イエスに対する信仰について話を聞きました。この時、聖霊が働かれて、パウロの弁明によって、信仰告白へと導かれましたが、恐れを感じ、決断を延したことをルカは伝えています。これは、彼の妻ドルシラとの結婚の罪が示されたのです。
ドルシラとは、ヘロデ・アグリッパ1世の3番目の子で、紀元38年に生まれ、アグリッパ2世の妹に当たります。兄のアグリッパ2世は、ドルシラをシリヤのアジザス王と結婚させました。しかし、ドルシラは夫と離婚し、フェリクスと結婚したのです。
かつて、これと似たようなケースがありました。それは、ヘロデ・アンティパスと彼の妻ヘロディアです。バプテスマのヨハネは、その罪を明確に指摘した為、捕らえられたのです。
罪を犯した者は、恐れるのです。なぜなら、霊の世界において、罪の裁きがあることを、無意識の中に、私たちに刻み込まれているからです。
この時、神様は、フェリクスとドルシラに悔い改めの機会を与えられたのです。その後、パウロが監禁された2年間に何度もその機会が与えられます。
やがて2年が過ぎ去ります。フェリクスとドルシラは失脚し、ポルキウス・フェストゥスが彼の後任になります。残念ながら、フェリクスとドルシラは救いを受け取ろうとはしませんでした。それは、決心を伸ばしただけではなく、神と富の両方に使えることは出来ないことを、改めて私たちに教えているのです。
神の言葉が語られる時には、その言葉は生きた言葉となります。パウロは、『救いのかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。』と勧めています。
また、ヘブル書の著者は、『神の言葉は生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄を分けるまでに刺し貫き、心の思いやはかりごとを見分けることができます。』とも勧めています。
私たちは、神の言葉を受け入れました。そして主イエスを救い主として信じ救われたのです。私たちには、それぞれに使命が与えられています。主の証人として、神の言葉を語り、主の栄光を現わして行くのです。》