◇◆◇日々のみ言葉
2019年9月20日(金)
◎聖書箇所【使徒の働き16章9節~10節】
16:9 ある夜、パウロは幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けて下さい。」と懇願するのであった。
16:10 パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤに出かけることにした。神が私たちを招いて、彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。
◎ショートメッセージ
《パウロとシラスによる「第二回伝道旅行」は、第一回伝道旅行に行った小アジヤの町々を逆にたどって、デルベ、ルステラ、イコニオム、ピシデヤのアンテオケへと行きました。彼らは、途中のルステラでパウロの弟子テモテを助手として加えます。
それぞれの町に出来た教会を訪ね、励まし、信仰を堅く強いものとした後、一行は、さらに足を伸ばして、アジヤ州のガラテヤそしてビシデヤでも福音を宣べ伝えようとしました。
しかしそのいずれもが、聖霊によってストップをかけられ、また主イエス様の御心でなかった為、目的を果たすことが出来ず、かえって西方のエーゲ海のかなたにあるヨーロッパに福音を携えて行くことになったのです。
こうして福音は、アジヤからヨーロッパに進み、近代に至るまでのキリスト教会の歴史の中心舞台となるヨーロッパへの宣教の第一歩が、記されることになるのです。
さて一行は、エーゲ海に有ります「トロアス」までやって来ました。この町は大きな港町で、マケドニヤ行きの船便がありました。
おそらく一行は、この港町で宿泊したと思われます。そこでパウロは、ある夜、幻を見るのです。
それが、『ひとりのマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けて下さい。」と懇願する。』と言うものであったのです。
おそらくパウロは、この幻のことを預言者であるシラスに伝えたと思われます。なぜなら、もしこの幻が主イエス様からのものであるならば、シラスはその解き明かしが出来たはずだからです。
また、最初は『アジヤでみ言葉を語ることを聖霊によって禁じられた』こと、そして次に、『ビテニヤのほうに行こうとしたが、イエスの御霊がそれをお許しにならなかった』ことから、マケドニヤに行くことこそが、主の御旨であることを確信したと思われます。
さて、マケドニヤとは、ギリシヤ北部の、南をテッサリヤとエーゲ海、東をトラキヤ、西をイリリヤに囲まれた地方および国のことを指します。
古くからマケドニヤ人がこの地方に定着し、紀元前7世紀には王国が出来ましたが、歴史的にはほとんど知られていませんでした。
しかし、紀元前4世紀のフィリッポス2世の時代に勢力を拡大して、ギリシヤを支配するようになり、その息子アレクサンドロスは、大王となり東方に帝国を拡大し、一大帝国を築いたのです。しかし大王の死後帝国は4分割され、マケドニヤ地方はカサンドロスが支配しました。
紀元前168年のピュドナの戦いでローマに敗北したマケドニヤは4地区に分けられ、20年後の紀元前146年にはマケドニヤ州とされ、テサロニケを首都として、ローマ総督が統治するようになったのです。
新約聖書時代、すなわちパウロとシラスの「第二回伝道旅行」の頃には、大都市ピリピ、そして首都テサロニケは、まさに繁栄を極めていたのです。
明日も同じ箇所からとなります。》