◇◆◇日々のみ言葉
2021年11月24日(水)
◎聖書箇所【マタイの福音書24章15節】
24:15「それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)」
◎ショートメッセージ
《主イエスは、ここにおいて「ダニエル書」からみ言葉を引用しています。ダニエル書には、「荒らす忌むべき者」と言う表現は三回ほど登場します。
『彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。」(ダニエル9:27)』
『彼の軍隊は立ち上がり、聖所ととりでを汚し、常供のささげ物を取り除き、荒らす忌むべきものを据える。(ダニエル11:31)』
『常供のささげ物が取り除かれ、荒らす忌むべきものが据えられる時から千二百九十日がある。(ダニエル12:11)』
ダニエル書は、紀元前600年頃に書かれました。そして、この預言は、アンティオコス・エピファネスにおいて成就しました。
ギリシヤのアレクサンドロス大王の死後、シリヤにはセレウコス王朝(紀元前312~65年)が誕生しました。その王朝の支配者26人のうち、13人がアンティオコスの名を名のります。アンティオコス・エピファネスは、アンティオコス4世のことで、紀元前175~163年に在位します。
エピファネスは二度にわたるエジプト遠征を試みます。その出兵は一応の成功しますが、紀元前168年には、ローマ軍の介入を受け、エジプト撤退を余儀なくされるのです。 彼はその帰途、兵をエルサレムに遣わし、城壁を壊し家々を焼き払い、多くのユダヤ人を殺害し、捕虜や奴隷にしました。
そして、ユダヤ教を禁止し、従わない者は死刑にすると命じたのです。エルサレム神殿にはゼウス像が祭られ、ユダヤ人が忌み嫌う豚がいけにえとして捧げられました。
それゆえ、ユダ・マッカバイオスが立ち上がって、ハスモン王朝を築くことになるのです。
主イエスは、160年以上前の昔のことについて言及しているのではありません。ダニエルの預言は、二重の意味を含んでおり、アンティオコス・エピファネスにおいて、一度は成就しましたが、彼はあくまで予兆であり、「反キリスト」のひな形なのです。
やがて、終わりの時代において、「反キリスト」が現われることになります。使徒パウロは、書簡にこう書き記しています。
『誰にも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現われなければ、主の日は来ないからです。彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。(第Ⅱテサロニケ2:3~2:4)』と。
明日も同じ箇所からです。》