• 2022年5月1日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【使徒の働き16章11節~15節】(新約聖書p.267下段真中)
    16:11 私たちはトロアスから船出して、サモトラケに直航し、翌日ネアポリスに着いた。
    16:12 そこからピリピに行った。この町はマケドニアのこの地方の主要な町で、植民都市であった。私たちはこの町に数日滞在した。
    16:13 そして安息日に、私たちは町の門の外に出て、祈り場があると思われた川岸に行き、そこに腰を下ろして、集まって来た女たちに話をした。
    16:14 リディアという名の女の人が聞いていた。ティアティラ市の紫布の商人で、神を敬う人であった。主は彼女の心を開いて、パウロの語ることに心を留めるようにされた。
    16:15 そして、彼女とその家族の者たちがバプテスマを受けたとき、彼女は「私が主を信じる者だとお思いでしたら、私の家に来てお泊まりください」と懇願し、無理やり私たちにそうさせた。

    ◎メッセージ【ピリピのリディア(ルデヤ)】
    《使徒の働きに戻ります。主イエスの御霊の導きによって、港町トロアスからサモトラケに直航して、翌日ネアポリスに着き、そこから徒歩でピリピに到着します。この時、パウロとシラスは医者ルカと合流しています。ピリピとは、エーゲ海を南に望むマケドニヤ州の第一の主要都市で、二人の長官が統治していました。
     この町の住民は、ローマ人が退役軍人を中心に約半分、ギリシヤ人が半分で、ユダヤ人は少数であったようです。それゆえ、ユダヤ人の会堂はなく、ユダヤ人たちは町の外の川岸において、集まって祈っていたのです。
     パウロとシラスとルカの一行は、安息日にその祈り場に行きました。そこには女たちだけが集まっていました。その指導者が、ティアティラ(テアテラ)からやって来ていたリディア(ルデア)であったのです。彼女はティアティラ市の紫布の商人で、神を敬う人であったと、ルカは書き記しています。つまり、リディアは、ティアティラ市に本店を構える女主人であったのです。紫布と言えば、ローマの高官が好んで用いるものでした。ピリピは、住民の半数がローマ人であった為、当然、紫布は御用達であったに違いありません。そうなりますとリディアは、裕福であったことが考えられます。それゆえ、彼女を中心として、やがてピリピ教会が建てあげられることになるわけです。この教会こそ、ヨーロッパ最初の教会として、使徒パウロをはじめ、エルサレム教会にまで、多くの献げ物で支えることになるのです。
     さて、主イエスご自身が、彼女の心を開かれて、パウロの語る言葉に心を留めるようにされました。そして、その日のうちに、彼女と家族の者たちは、信仰告白をし、バプテスマを受けたのです。まことに彼女も、主イエスが選ばれた器であることが分かります。
     かつて主イエスは、弟子たちにこのように言われました。
    『「あなたがたが私を選んだのではなく、私があなたがたを選び、あなたがたを任命しました。それは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るようになるため、また、あなたがたが私の名によって父に求めるものをすべて、父が与えてくださるようになるためです。あなたがたが互いに愛し合うこと、私はこれを、あなたがたに命じます。世があなたがたを憎むなら、あなたがたよりも先に私を憎んだことを知っておきなさい。もしあなたがたがこの世のものであったら、世は自分のものを愛したでしょう。しかし、あなたがたは世のものではありません。私が世からあなたがたを選び出したのです。」』と。
     このように、主イエスはピリピ教会の設立に最も相応しい人物として、リディアを選ばれ、用意されておられたことが分かります。私たちも同じなのです。私たちが選んだのではなく、主イエス様が私たちをお選びになられたのです。ここに神様の不思議な摂理と恵みが有ります。そして、先に救われたことには意味があります。私たちには使命があるのです。
     さて、リディアは、パウロとシラスとルカに、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、私の家に来てお泊まり下さい」と懇願します。このことによって、三人の伝道チームは、ピリピ伝道の拠点を持つことになります。
     また、リディアが紫布の商人ならば、当然ローマの退役軍人や高官との深い関わりが、必ずあるはずです。もしかしましたら、ルカが福音書と使徒の働きを書き送った相手であるテオフィロ(テオピロ)閣下は、リディアの伝手を通して知り合ったのかも知れません。なぜなら、この時ルカ本人がリディアと出会っているからです。》

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