◇◆◇2022年6月12日 第二主日礼拝メッセージ
◎本日の聖書箇所【使徒の働き17章1節~9節】(新約聖書p.269下段右側)
17:1 パウロとシラスは、アンピポリスとアポロニアを通って、テサロニケに行った。そこにはユダヤ人の会堂があった。
17:2 パウロは、いつものように人々のところに入って行き、三回の安息日にわたって、聖書に基づいて彼らと論じ合った。
17:3 そして、「キリストは苦しみを受け、死者の中からよみがえらなければならなかったのです。私があなたがたに宣べ伝えている、このイエスこそキリストです」と説明し、また論証した。
17:4 彼らのうちのある者たちは納得して、パウロとシラスに従った。神を敬う大勢のギリシア人たちや、かなりの数の有力な婦人たちも同様であった。
17:5 ところが、ユダヤ人たちはねたみに駆られ、広場にいるならず者たちを集め、暴動を起こして町を混乱させた。そしてヤソンの家を襲い、二人を捜して集まった会衆の前に引き出そうとした。
17:6 しかし、二人が見つからないので、ヤソンと兄弟たち何人かを町の役人たちのところに引いて行き、大声で言った。「世界中を騒がせてきた者たちが、ここにも来ています。
17:7 ヤソンが家に迎え入れたのです。彼らはみな、『イエスという別の王がいる』と言って、カエサルの詔勅に背く行いをしています。」
17:8 これを聞いた群衆と町の役人たちは動揺した。
17:9 役人たちは、ヤソンとほかの者たちから保証金を取ったうえで釈放した。
◎メッセージ【テサロニケのヤソン】
《アンピポリスとは、「丸く取り囲まれた町」という意味で、ピリピの南西50キロの所にある町です。そして、さらに南西に約50キロ行くとアポロニヤに着きます。アポロニヤとは、「アポロに属する所」という意味で、ボルベー湖の南に位置する町です。そして、さらに60キロ先に行きますと、テサロニケに着きます。
テサロニケとは、マケドニヤのテルマ湾の北端に位置する港町で、紀元前315年頃マケドニヤの王カサンドロスが近隣の26の町村の住民を集めて新しい都市を創設し、妻テサロニカにちなんでテサロニケと命名したのです。紀元前146年には、ローマの属州マケドニヤとなり、その首都になりました。
パウロとシラスは、「三回の安息日」にわたって、聖書に基づいて、会堂に集った人たちと論じ合ったとあります。おそらく最初の安息日に、会堂管理人であったと思われる同胞のユダヤ人ヤソンが、主イエスを信じたのではないでしょうか。そして、ヤソンは、パウロとシラスを自分の家に招き入れたのです。
パウロは、後にローマ書において、
『私の同労者テモテ、また私の同胞、ルキオとヤソンとソシパテロが、あなたがたによろしくと言っています。』と書いており、ヤソンはパウロと行動を共にしたことが分かっています。
さて、テサロニケの正当的ユダヤ人が、パウロとシラスを捕らえようとして、見つからなかったが為に、ヤソンと他の兄弟たちをテサロニケの役人のもとに引き渡します。
ローマ人である役人たちは、『ヤソンとほかの者たちから保証金を取ったうえで釈放した』と書かれてあることから、ヤソンは、決して身分の低い者ではなく、もしかしましたら、ローマ市民ではなかったのではないでしょうか。
ユダヤ人たちは役人に、『イエスという別の王がいる』と言う理由で訴えました。確かにローマ帝国の王は、カエザルだけです。
しかし、エルサレムにおいて、主イエスの裁判が行なわれた時のことです。ローマ総督ポンテオ・ピラトが、主イエスに質問したことがありました。
「あなたは王なのか。」
「私が王であることは、あなたの言うとおりです。」
この時、主イエスはご自身が王であることを明らかにしています。このお方こそ、王の王、主の主なるお方なのです。やがて、この地上に、主イエスは唯一無二の王として、千年間統治されるのです。
神様は、テサロニケのユダヤ人ヤソンを選ばれました。私たちも、このヤソンと同じように、主によって召し出された者なのです。私たちは、主イエスの証人として、それぞれに使命が与えられているのです。》