◎本日の聖書箇所【使徒の働き17章16節~23節】(新約聖書p.270下段右側)
17:16 さて、パウロはアテネで二人を待っていたが、町が偶像でいっぱいなのを見て、心に憤りを覚えた。
17:17 それでパウロは、会堂ではユダヤ人たちや神を敬う人たちと論じ、広場ではそこに居合わせた人たちと毎日論じ合った。
17:18 エピクロス派とストア派の哲学者たちも何人か、パウロと議論していたが、ある者たちは「このおしゃべりは、何が言いたいのか」と言い、ほかの者たちは「彼は他国の神々の宣伝者のようだ」と言った。パウロが、イエスと復活を宣べ伝えていたからである。
17:19 そこで彼らは、パウロをアレオパゴスに連れて行き、こう言った。「あなたが語っているその新しい教えがどんなものか、知ることができるでしょうか。
17:20 私たちには耳慣れないことを聞かせてくださるので、それがいったいどんなことなのか、知りたいのです。」
17:21 アテネ人も、そこに滞在する他国人もみな、何か新しいことを話したり聞いたりすることだけで、日を過ごしていた。
17:22 パウロは、アレオパゴスの中央に立って言った。「アテネの人たち。あなたがたは、あらゆる点で宗教心にあつい方々だと、私は見ております。
17:23 道を通りながら、あなたがたの拝むものをよく見ているうちに、『知られていない神に』と刻まれた祭壇があるのを見つけたからです。そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それを教えましょう。」
◎メッセージ【知られていない神に】
《さて、ギリシャ第一の都市アテネに初めてパウロはやって来ました。パウロは町が偶像で一杯なのを見て、心に憤りを覚えたとあります。そこにもユダヤ人の会堂がありました。安息日に、主イエス様と同じように礼拝に参加し、十字架と復活を語ったのです。
また、アテネの門の広場において、毎日のように、当時のギリシャの二大哲学に属する哲学者との議論も行なったとあります。
エピクロス派とは、哲学者エピクロスからきている名称で、宇宙の根源は原子であるとし、魂(精神)は肉体同様、原子によって構成され、死によって両者は終極に至たると教え、ゆえに神というものは存在しないと唱えていました。
また、ストア派とは、エピクロス派と並び称されるギリシヤ哲学の一派で、創立者ゼノンがアテネの柱廊(ストア・ポイキレー)で講義したことから由来しており、人間は小宇宙であって、その本質である理性は、宇宙の本質である理性(神)と同一のもので、理性に従う生活こそが、倫理的に正しい生活であると考えました。そして理性は、感情と衝動を支配できると唱えていたのです。
彼らは、パウロをアレオパゴス評議会に連れて行ったのです。アレオパゴスとは、五百年以上にもおよぶ歴史がある評議会で、刑事事件および道徳と宗教に関して、特別の裁判権を有していました。パウロは、議会の真ん中に立って、
「アテネの人たち。あなたがたは、あらゆる点で宗教心にあつい方々だと、私は見ております。道を通りながら、あなたがたの拝むものをよく見ているうちに、『知られていない神に』と刻まれた祭壇があるのを見つけたからです。そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それを教えましょう。」と弁明したのです。
アテネの多くの偶像の中で、『知られていない神に』と刻まれた祭壇があるのを、パウロは見つけました。これは偶然ではなくて、実は神様が、この偶像礼拝の町に、救いの道しるべを用意しておられたのです。このアレオパゴスでのメッセージによって、救われるべき人たちが起こされることになります。
日本の多くの人々は、パウロが存在していた時代のアテネの人々と同じように、真の神様を知りません。それゆえに、パウロのように、その御名を教える必要があるのです。
私たちは、主イエス様の証人です。それは、主イエス様が今も生きておられ、本当に存在するお方であることを証しするのです。大切な事は、私たちの生き様です。み言葉と共に歩む人には、その証印として聖霊様が共にいて下さいます。私たちは、このお方の臨在を運ぶのです。私たちは、「知られない神」を知っている者です。》