◎本日の聖書箇所【ルカの福音書4章14節~16節】(新約聖書p.115下段真中)
4:14 イエスは御霊の力を帯びてガリラヤに帰られた。すると、その評判が周辺一帯に広まった。
4:15 イエスは彼らの会堂で教え、すべての人に称賛された。
4:16 それからイエスはご自分が育ったナザレに行き、いつもしているとおり安息日に会堂に入り、朗読しようとして立たれた。
◎メッセージ【ガリラヤに戻る】
《さて、イエスは聖霊の力を帯びてガリラヤに帰られました。すると、その評判が周辺一帯に広まったとあります。ルカは、公生涯ごく初期のことについては、この一節しか書き記していませんが、その評判がガリラヤ周辺一帯に広まるには、何らかの大きな奇跡やしるしが行なわれたことが分かります。
ヨハネは「最初のしるし」として、カナンの婚礼の出来事を書き記しています。
『ガリラヤのカナで婚礼があり、そこにイエスの母がいた。イエスも弟子たちも、その婚礼に招かれていた。ぶどう酒がなくなると、母はイエスに向かって、
「ぶどう酒がありません」と言った。
「女の方、あなたは私と何の関係がありますか。私の時はまだ来ていません。」
「あの方が言われることは、何でもして下さい。」
そこには、ユダヤ人のきよめのしきたりによって、石の水がめが六つ置いてあった。イエスは給仕の者たちに言われた。
「水がめを水で一杯にしなさい。」
「さあ、それを汲んで、宴会の世話役の所に持って行きなさい。」
宴会の世話役は、すでにぶどう酒になっていたその水を味見した。汲んだ給仕の者たちはそれがどこから来たのかを知っていたが、世話役は知らなかった。それで花婿を呼んで、こう言った。
「みな、初めに良いぶどう酒を出して、酔いが回った頃に悪いのを出すものだが、あなたは良いぶどう酒を今まで取っておきました。」
イエスはこれを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現わされた。それで、弟子たちはイエスを信じた。その後イエスは、母と弟たち、そして弟子たちと共にカペナウムに下って行き、長い日数ではなかったが、そこに滞在された。』と。
実は、今もこれと同じことが、毎年のように行なわれています。ぶどうの木は、水を根っこから吸い上げます。やがて葉が出て、ぶどうの花が咲き、ぶどうの実が豊かに実ります。農夫は、そのぶどうの房をつぶして、ぶどうジュースを作り、それを樽に保管し、熟成することによってぶどう酒が完成します。
その行程を、主イエスは一言で、しかも一瞬において成し遂げたのです。この事から、主は、時間も行程をもコントロール出来るお方であることが分かります。つまり時を、主が握っておられるのです。
さて、主が与えて下さる物は、二番手でもなく三番手でもなく、いつも最高の物であると言うことです。パウロは、自身の体験を通して、次のように、私たちに勧めています。
『神を愛する人たち、すなわち、神のご計画に従って召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。(ローマ8:23)』と。
この最初のしるしこそが、ガリラヤ周辺一帯に広まった主イエスの大きな御わざなのです。さて、ヨハネは「カナの婚礼の奇跡」を行なわれた後に、『その後イエスは、母と弟たち、そして弟子たちと共にカペナウムに下って行き、長い日数ではなかったが、そこに滞在された。』と、書き記しています。
カペナウムには、シモン・ペテロとその弟アンデレの家がありました。また、ゼベタイのヤコブとヨハネの家があったのです。ゼベダイの妻サロメは、主の母マリアの実の妹でした。彼らはここに滞在したのです。この続きが、本日の聖書箇所につながり、カペナウムの会堂で教え、奇跡としるしをなされます。その後主イエスは、母マリアと弟と妹たちと共に、故郷ナザレに向かうことになります。この時、主はあえて弟子たちをカペナウムにおいていったと思われます。》