◎本日の聖書箇所【ルカの福音書5章27節~32節】(新約聖書p.119上段左側)
5:27 その後、イエスは出て行き、収税所に座っているレビという取税人に目を留められた。そして「私について来なさい」と言われた。
5:28 するとレビは、すべてを捨てて立ち上がり、イエスに従った。
5:29 それからレビは、自分の家でイエスのために盛大なもてなしをした。取税人たちやほかの人たちが大勢、ともに食卓に着いていた。
5:30 すると、パリサイ人たちや彼らのうちの律法学者たちが、イエスの弟子たちに向かって小声で文句を言った。「なぜあなたがたは、取税人たちや罪人たちと一緒に食べたり飲んだりするのですか。」
5:31 そこでイエスは彼らに答えられた。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人です。
5:32 私が来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためです。」
◎メッセージ【取税人レビの召命】
《今日は、使徒になる七人目の弟子、レビの召命について共に考えます。カペナウムには、ローマ軍の駐屯所があり、取税所が設けられていました。主イエスは収税所に座っているレビという取税人に目を留められたのです。
「私について来なさい。」
するとレビは、すべてを捨てて立ち上がり、主に従いました。取税人が、その持ち場を離れることは、その職を放棄することになります。マルコは、平行記事に、彼のことを、「アルパヨの子レビ」と書き記しています。それから主イエスは、レビの家で食卓に招かれました。実は、この食卓には、もう一人の使徒となる人物が参加していたのです。それが、「アルパヨの子ヤコブ」です。彼は、レビの弟です。なんと、十二使徒の中には、3組の兄弟が存在していたことになります。
さて、パリサイ人たちや律法学者たちが、レビの家の門の外で、主の弟子たちに向かって文句を言いました。
「なぜあなたがたは、取税人たちや罪人たちと一緒に食べたり飲んだりするのですか。」
その声を聞いた主イエスは彼らに答えます。
「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人です。私が来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためです。」と。
ここで、主が言われた「正しい人」とは、自分は正しいと思っているパリサイ人や律法学者たちを指しています。
取税人は、同胞のユダヤ人からは忌み嫌われていました。それゆえ、各都市の取税人同志の横のつながりと仲間意識は、非常に高かったと思われます。
よって、カペナウムの取税人の頭レビとその弟ヤコブが、職を放棄して、ナザレのイエスに従ったことは、瞬く間に、「取税人」の世界に広まったに違いありません。そのうわさは、すぐにもエリコにまで届きました。
そして、エリコにも、主イエスに興味を持った「取税人」がいました。それが、ザアカイなのです。彼も、主イエスの哀れみと恵みによって、救われます。彼は、その後、エルサレム教会の一員になったと考えられます。
主イエスは、ごく普通の人々の中から、しかも取るに足らない者から、十二使徒を選ばれました。そして、私たちをも選ばれたのです。主は言われます。
「あなたがたが私を選んだのではなく、私があなたがたを選び、あなたがたを任命しました。それは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るようになるため、また、あなたがたが私の名によって父に求めるものをすべて、父が与えて下さるようになるためです。」と。
主の選びはまことに不思議です。
そして私たち、それぞれに賜物と使命を与えられました。私たちは、人と比較する必要はないのです。大切なことは、今与えられた使命を忠実に果たすことなのです。》