◇◆◇日々のみ言葉
2015年10月29日(木)
◎聖書箇所 【マルコの福音書7章14節~15節】
7:14 イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「みな、わたしの言うことを聞いて、悟るようになりなさい。
7:15 外側から人にはいって、人を汚すことのできる物は何もありません。人から出て来るものが、人を汚すものなのです。」
◎ショートメッセージ
《『主イエスは、パリサイ人や律法学者たちに話し終えると、再び群衆を呼び寄せた。と言うことは、群衆が主イエスと弟子たちの側にいたということである。おそらく、主イエスとパリサイ人や律法学者たちとの論争を見ていたであろうし、聞いていたと思われる。
ルカは、ペテロの通訳であった。ペテロはアラム語、そしてヘブル語を話したが、ギリシャ語は話せなかった。それゆえルカがぺテロと同行し、ペテロがギリシャ人に説教を語った時に、通訳したのであった。
後ほど、多くの人々がペテロの説教を、マルコに書物としてまとめて欲しいという要望が強く起こり、マルコは執筆することになった。それが、今学んでいる「マルコによる福音書」である。その要望が起こった時には、すでにシモン・ペテロは、皇帝ネロによって、ローマで「逆さ磔」によって殉教していた。
あえてなぜ「マルコの福音書」について、突然に説明したのか言えば、主イエスが語られた言葉を、ペテロが、これほどまでに正確に覚えていたことが、驚異的に思えたからである。
また主イエスが語られた言葉だけではなく、パリサイ人や律法学者たちが語った言葉さえも、ペテロ自身が直にその耳で聞いた言葉のほぼすべてを、これだけ正確に、人々に説教し、そして教えたこと。またペテロの話した言葉を、正確に書物として書き記したマルコのこと。これこそも、聖霊なる神の働きであり、大いなる奇蹟ではないだろうか。
まさしく、主イエスが言われた通りである。
『しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。(ヨハネの福音書14:26)』
さて、マルコは「群衆」と書き記しているが、ここでは、単なる群衆ではなく、十二使徒を始め、主につき従って来た六十人以上の弟子たちを、主イエスは呼び寄せたとも考えられる。
「みな、わたしの言うことを聞いて、悟るようになりなさい。」
この言葉は、この時の群衆や弟子たちにだけではなく、現在の私たちにも、語られている言葉である。
『聞く』
何に。聖書に聞くのである。主イエスの語られた言葉を聞くのである。
しかし、ただ聞いただけでは不十分なのだ。
次に、悟らなければ。
『悟る』
広辞苑第六版では、「つまびらかに知る。ものごとの道理を明らかに知る。推し量って知る。察知する。心の迷いを去って真理を体得する。」と説明しているが、これも聖霊なる神の助けがなければ、霊的深みまで、魂の奥底までに、「真理」を刻み込むことは出来ない。
そして、主イエスは、さらに続けられた。
「外側から人にはいって、人を汚すことのできる物は何もありません。人から出て来るものが、人を汚すものなのです。」
これを聞いた弟子たちは、このたとえが分からなかったのだ。弟子たちさえ分からないとすれば、群衆には、全く理解できなかったことは言うまでもない。
この後、弟子たちは、主イエスに質問し、主イエスはこのたとえを解き明かされることとなる。》