※本日の聖書箇所「ルカの福音書9章9節~15節」(新約p.131下段右側)
9:18 さて、イエスが一人で祈っておられたとき、弟子たちも一緒にいた。イエスは彼らにお尋ねになった。「群衆は私のことをだれだと言っていますか。」
9:19 彼らは答えた。「バプテスマのヨハネだと言っています。エリヤだと言う人たち、昔の預言者の一人が生き返ったのだと言う人たちもいます。」
9:20 イエスは彼らに言われた。「あなたがたは、私をだれだと言いますか。」ペテロが答えた。「神のキリストです。」
9:21 するとイエスは弟子たちを戒め、このことをだれにも話さないように命じられた。
◎メッセージ【シモン・ペテロのキリスト告白】
《ルカの福音書に戻ります。主イエス様は、よく一人で祈られました。特に、十二使徒を選ばれる時も、父なる神様と夜を徹して祈られ、話し合われました。
さて、イエス様は、この時、何を祈られたのでしょうか。私は、シモン・ペテロの為に祈られたと思っています。
さて、この箇所は、共観福音書のすべてに記載されています。マタイによりますと、シモン・ペテロのキリスト告白が行なわれた場所は、「ピリポ・カイサリア」となっています。
主イエス様は弟子たちに聞かれました。「群衆は私のことをだれだと言っていますか。」
「バプテスマのヨハネだと言っています。エリヤだと言う人たち、昔の預言者の一人が生き返ったのだと言う人たちもいます。」
つまり、人々は、主イエス様の事を「脇役」にしか考えていないことが分かります。
「あなたがたは、私をだれだと言いますか。」シモン・ペテロが答えます。
「神のキリストです。」
キリストとは、直訳すると「油注がれた者」という意味で、約束された「メシア」のことです。マタイでは、主がシモンに続けて語られた言葉が記載されています。
「バルヨナ・シモン、あなたは幸いです。このことをあなたに明らかにしたのは血肉(人間)ではなく、天におられる私の父です。」
この言葉こそ、主イエス様の祈りの結果であることが分かります。つまり、主は、シモン・ペテロが自分の力で告白したのではなく、父なる神様が御霊によって、彼に言わせたと言われるのです。
「そこで、私もあなたに言います。あなたはペテロです。私はこの岩の上に、私の教会を建てます。よみの門もそれに打ち勝つことはできません。私はあなたに天の御国の鍵を与えます。あなたが地上でつなぐことは天においてもつながれ、あなたが地上で解くことは天においても解かれます。」
ここで、初めて、主イエス様は、「教会」という言葉を使われました。また、ペテロに言われた言葉は、ペテロが十二使徒の真のリーダーになることを預言されたとも言えます。
シモン・ペテロの素晴らしい「キリスト告白」に対して、彼の三度にもおよぶ「主イエスの否認」が、四つのすべての福音書に描かれています。
これも、神様の深い摂理であって、ペテロが真の指導者になる為には、徹底的にへりくだされる必要があったのです。この時にも主は彼の為に祈られています。
「シモン、シモン。見なさい。サタンがあなたがたを麦のようにふるいにかけることを願って、聞き届けられました。しかし、私はあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」と。
シモン・ペテロは告白しました。「神のキリストです。」と。
主イエスは、弟子たちを戒め、彼らに、このことをだれにも話さないように命じられたのです。なぜなら、彼らにはまだ真の確信がなかったからです。彼らが、その確信を本物にするには、主の十字架と復活と昇天、そしてペンテコステを体験した後のことなのです。
「信仰は体験です。」と尾山先生は良く言われました。私たちは、神様の奇跡や祈りの成就を通して、主に対する信仰と信頼が増して行くのです。私たちの主は生きておられます。》