◇◆◇日々のみ言葉
2016年4月12日(火)
◎聖書箇所 【マルコの福音書13章17節~18節】
13:17 「だが、その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。
13:18 ただ、このことが冬に起こらないように祈りなさい。」
◎ショートメッセージ
《主イエス様は言われました。
「『荒らす憎むべきもの』が、自分の立ってはならない所に立っているのを見たならば、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。屋上にいる者は降りてはいけません。家から何かを取り出そうとして中にはいってはいけません。畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。」
「屋上にいる者は降りてはいけません。」
これは、一見矛盾しているように思えますが、ユダヤの家の屋上には階段がついていて、逃げるために下に降りた時、家に入って物を取り出そうとしてはなりません、と言う意味です。つまり家に入ることを禁じているのです。
「畑にいる者は着物を取りに戻ってはいけません。」
畑で働いている農夫は、下着だけを着ている場合が多く、普通上着は、家に置いてあるのが常識でした。その上着を取りに戻ってはなりません、と言う意味です。
ユダヤ人の上着とは、特別のもので、昼は焼けるような日差しから身を守り、夜には寝具の代わりとなって寒さを防いでくれるもので、羊毛で出来ており、非常に高価なものでした。
「だが、その日、悲惨なのは身重の女と乳飲み子を持つ女です。」
身重の女と乳飲み子を持つ女は、急いで逃げることは困難なことは、言うまでもありません。
「ただ、このことが冬に起こらないように祈りなさい。」
ユダヤの冬は雨が多く、普段は水の流れていない川(ワジ)も水量を増し、渡って逃げることが困難になるためです。また希ですが、雪が降る場合もあったのです。
ともあれ、『荒らす憎むべきもの』が、神殿に立っているのを見たならば、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。しかも急いで、ぐずぐずせずに着の身着のままで、逃げなさい、と主イエス様は言われるのです。
この話を聞いていたのは、ペテロとアンデレ、そしてゼベタイの子ヤコブとヨハネですが、彼らに取っては想像すら出来ない、また考えることも思い描くことも出来ない、チンプンカンプンな話であったのです。
主イエス様は、なぜこの話をされたのでしょうか。それは、弟子たちによって、やがて新約聖書の基となるご自身の福音書に、書き残すためであったと思われます。
マルコの福音書は紀元50年頃に、マタイの福音書は紀元60年頃に、そしてルカの福音書もほぼマタイと同じ頃には、すでに執筆されていました。
それだからこそ、エルサレム初代教会のクリスチャンは、紀元70年のエルサレム陥落の時には、滅ぼされず、脱出することができたのです。》