◇◆◇日々のみ言葉
2016年7月13日(水)
◎聖書箇所 【マルコの福音書15章29節~30節】
15:29 道を行く人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。「おお、神殿を打ちこわして三日で建てる人よ。
15:30 十字架から降りて来て、自分を救ってみろ。」
◎ショートメッセージ
《イエス様は、午前9時に十字架につけられました。この時制はローマ時制、すなわち現代時制が使われています。
しかしユダヤ時制においては、午後6時から新しい一日が始まります。よって「過越の祭」の安息日が始まるまで、あと残す時間は9時間となります。
とは言いましても、埋葬する時間が必要ですので、実際に囚人を十字架につける時間は、8時間くらいとなります。
なぜなら、旧約聖書における律法では、十字架につけられた者は、神に呪われた者であり、安息日に十字架刑の囚人の遺体を十字架に掛けたままにしておくことは、信仰深いユダヤ人には、到底許せることではなかったのです。
祭司長たちや民の長老たちは、安息日が始まる前に、すべてを片づけたいと言う願いがありました。
さて、ゴルゴタの丘は、どうやらエルサレムに向かう街道の側近くにあったようです。それゆえ、道を行く人々は、十字架につけられている主イエス様を見て、ののしったのです。
彼らは、なぜ三本の真ん中の十字架に掛けられているのが、イエス様だと分かったのでしょうか。
それこそが、ポンテオ・ピラトが掲げた「罪状書き」が功を奏したのです。この罪状書きは、ヘブル語、ラテン語、ギリシャ語で書かれてありました。当時のユダヤの公用語はアラム語でしたが、エルサレムはまさに国際都市でもありましたので、多くの人々は、複数の原語を使用することが当たり前であったのです。
「エルサレムの王ナザレのイエス」
これが、ピラトが書いた「罪状書き」の文書です。これを見ながら人々は、イエス様をののしったのです。
「おお、神殿を打ちこわして三日で建てる人よ。十字架から降りて来て、自分を救ってみろ。」
ここで不思議に思うことがあります。なぜ道行く人々は、このことを知っていたのでしょうか。この言葉は、大祭司カヤパによるイエス様の宗教的裁判において、二・三人のユダヤ人によって行なわれた証言の内容なのです。
また、主イエス様がこのように言われたことは、使徒ヨハネだけが書き記しています。しかも、この時点から三年前のことなのです。イエス様が六人の弟子たちを連れて、公生涯における最初の「過越の祭」のエルサレム巡礼の時に、イエス様は言われたのです。
『イエスは彼らに答えて言われた。「この神殿をこわしてみなさい。私は、三日でそれを建てよう。」そこで、ユダヤ人たちは言った。「この神殿は建てるのに四十六年かかりました。あなたはそれを、三日で建てるのですか。」しかし、イエスはご自分のからだの神殿のことを言われたのである。(ヨハネの福音書2:19~2:21)』と書かれています。
おそらく、祭司長たちが、イエス様の罪状について、ユダヤの人々に説明したのかも知れません。でなければ、道行く人々が知るはずもないことなのです。
しかし、面白いではありませんか。「神殿を壊して三日で建てる」とは、主の復活を預言しているのですから。》