• 2019年12月15日礼拝メッセージの概要

    ◇◆◇2019年12月15日第三アドベント礼拝
    ◎本日の聖書箇所【マタイの福音書1章18節~25節】 (新約p.1下段真中)
    1:18 イエス・キリストの誕生は次のようであった。その母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだ一緒にならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。
    1:19 夫のヨセフは正しい人であって、彼女をさらし者にはしたくなかったので、内密に去らせようと決めた。
    1:20 彼がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現われて言った。「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。
    1:21 マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」
    1:22 このすべての出来事は、主が預言者を通して言われた事が成就するためであった。
    1:23 「見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」(訳すと、神は私たちと共におられる、という意味である。)
    1:24 ヨセフは眠りからさめ、主の使いに命じられたとおりにして、その妻を迎え入れ、
    1:25 そして、子どもが生まれるまで彼女を知ることがなく、その子どもの名をイエスとつけた。

    ◎メッセージの概要【ヨセフの決意】
    《天使ガブリエルがマリヤの所に、訪れます。
    『「ご覧なさい。あなたの親類のエリサベツも、あの年になって男の子を宿しています。今はもう六か月です。神にとって不可能なことは一つもありません。」
    「本当に、私は主のはしためです。どうぞ、あなたのお言葉どおりこの身になりますように。」
     次の日、マリヤは、父ヨアキムと母アンナの許可を得て、エルサレム西郊外の町エンカレムに向けて旅立ちます。ルカは、『その頃、マリヤは立って、山地にあるユダの町に急いだ』と書き記しています。もちろん若い女性が一人旅などは危険極まりないことですから、エルサレムに巡礼するナザレの知人に、父母はマリヤを託したことと思われます。しかも婚約期間中の大切な時期でもあるからです。
     さて、マリヤはエルサレムに到着しますと、すぐにエンカレムに急ぎます。と言うことは、彼女はエリサベツの家を知っていることになります。そしてザカリヤの家に到着しますと、従姉妹のエリサベツがマリヤにあいさつするのです。
     さて、ルカは「マリヤは三か月ほどエリサベツと暮らして、家に帰った。」と書き記しています。彼女がバプテスマのヨハネの誕生に付き添ったかどうかは、聖書には書かれてはいません。しかし私は、付き添ったと思っています。
     さて、マリヤがナザレに戻って来た時に、父ヨアキムと母アンナは愕然とします。マリヤが妊娠していたからです。ここで初めて、マリヤは御使いガブリエルの訪問のことを告げるのです。もし出かける前に話していたら、彼女はエンカレムには行けなかったはずです。
     そして、これも推測なのですが、マリヤからではなく、父ヨアキムと母アンナから、婚約者ヨセフにその事実が告げられたと思います。もし直接マリヤがヨセフに会って話したとしたら、怒りと嫉妬にからんでヨセフがどのような行動を取るのか、危ぶまれたからです。
     そしてその事実がヨセフに告げ知らせられた時、ヨセフは相当に苦しんだはずです。「夫のヨセフは正しい人」であったと言うことは、律法を重んじるユダヤ人であることを意味し、妻マリヤの裏切りの罪を見逃すことは出来ない、と言うことです。
     よってヨセフが取るべき態度は、申命記に書かれた二つのうちのどちらかになります。
     一つは「石打の刑」です。最初の石をヨセフが投じることになります。
     もう一つは、「離婚状を書いて去らせる」ことです。ヨセフは、悩んだあげく後者を選んだのです。
     私は、ヨセフは、マリヤよりもかなり年上であったと思っています。しかもヨセフは、本当にマリヤを愛していたのです。そして、ついに決断し離縁状を書き、去らせることを実行しようとしたその夜、夢の中に御使いガブリエルが現われたのです。
    「ダビデの子ヨセフ。恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。その胎に宿っているものは聖霊によるのです。マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救って下さる方です。」
     このガブリエルの訪問と、イザヤ書の言葉によって、ヨセフはマリヤを妻として迎え入れ、また生まれて来る男の子を自分の子として育てる決意をしたのです。ここにヨセフがカトリック教会において聖人と呼ばれる所以があるのです。
     さて、二世紀頃に書かれた、マリヤの伝承があります。それによりますと、
    『二世紀の伝承では、父は金持ちヨアキム、母は不妊の女アンナであったが、ヨアキムの四十日間の断食、アンナの熱心な祈りに神が答えられ奇跡的に授かった。六ヶ月で七歩歩み、三才で神殿に捧げられ、十二才の時、祭司ザカリヤへの天使告知により、ユダヤの男子からくじ引きでヨセフと婚約することになった。ヨセフもマリヤもダビデ部族の出身であった。』 と書かれています。ヨセフは、神様によって主イエスの母マリヤの夫になることが定められていたのです。ヨセフは、イエスを自分の子として育てます。主なるお方を。》

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