◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月27日(水)
◎聖書箇所【使徒の働き27章13節】
27:13 おりから、穏やかな南風が吹いて来ると、人々はこの時とばかり錨を上げて、クレテの海岸に沿って航行した。
◎ショートメッセージ
《「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます。」
パウロは、それまでに数回に渡って船の難に出会っています。
コリント人への手紙によりますと、
『ユダヤ人から三十九のむちを受けたことが五度、むちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度あり、一昼夜、海上を漂ったこともあります。
幾度も旅をし、川の難、盗賊の難、同国民から受ける難、異邦人から受ける難、都市の難、荒野の難、海上の難、にせ兄弟の難に会い、労し苦しみ、たびたび眠られぬ夜を過ごし、飢え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さに凍え、裸でいたこともありました。(第Ⅱコリント11:24 ~11:27)』と書かれています。
これは「第三回伝道旅行」までの出来事なのです。それにしても「三度の難船」とは、驚くばかりです。しかもそのうちの一回には、「一昼夜、海上を漂ったこと」もあったと言うのです。その時には、いったいどのようにして救い出されたのでしょうか。おそらく船の破片の切れっ端に捕まっていたと思われますが。
この難船は、地中海における航海の危険な季節の中の出来事であったかも知れません。しかし、それにしても当時の航海は、まさに命がけであったと思われます。
さて、パウロは、自分の経験と聖霊のきざしによって、注意を促しましたが、百人隊長ユリアスは、パウロの言葉よりも、航海士や船長の言葉の方を信用したのです。まさに、今風に言えば「そんたく」に当たります。
また、この「良い港」が冬を過ごすのに適していなかったので、船長および航海士の意見は、ここを出帆して、できれば南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行き、そこで冬を過ごしたいと言うことでした。
ピニクスとは、「やしの木」という意味です。クレテ島の南西岸にあった港町のことで、現在のポルト・ルトロを指します。この港は「良い港」から70キロほど西方にあります。クレテ島が南に伸びた後に東に曲った半島の内側にあり、船が一年中安全に停泊できる場所であると言われています。
おりから、穏やかな南風が吹いて来ました。すると、アレキサンドリヤの船の乗組員たちは、この時とばかり錨を上げて、クレテ島の海岸に沿って船を進めました。
この穏やかな天候が続けば、上手く行きますと今日中には、ピニクスの港に到着し、ゆっくり休めるに違いないと、パウロの一行以外の誰もが思っていたのです。》