◇◆◇日々のみ言葉
2020年5月26日(火)
◎聖書箇所【使徒の働き27章11節~12節】
27:11 しかし百人隊長は、パウロの言葉よりも、航海士や船長のほうを信用した。
27:12 また、この港が冬を過ごすのに適していなかったので、大多数の者の意見は、ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたいということになった。
◎ショートメッセージ
《パウロ一行を乗せた、イタリヤへ行きアレキサンドリヤの船は、幾日かをかけて、ようやくクレテ島南海岸の「良い港」と呼ばれている港に着きました。その港はラサヤの町の近くにありました。
カイザリヤを出発してから、かなりの日数がすでに経過しており、十一月に入った為、地中海の航海はすでに危険な季節になっていたので、パウロは人々に語りました。
「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます。」
しかし、百人隊長ユリアスは、パウロの言葉よりも、航海士や船長のほうを信用したのです。もちろんユリアスは、船長および航海士にも意見を求めたに違いありません。 なぜなら彼らはプロの船乗りだからです。おそらく、彼らには、まだ大丈夫であると言う確信があったかと思われます。
地中海では、十一月十一日から次の年の三月十五日までは航海は禁止されていました。それはユークロンと言う強い西風の為に、多くの船が難破したからです。もちろん彼らもその事は、身に染み入るほどに知っています。
しかし、彼らにはもう一つの大きな理由がありました。それは、「この港が冬を過ごすのに適していなかった」と言うことです。
これがどのようなことなのかは、具体的には良く分かりませんが、この港の名前は「良い港」と呼ばれていることから、決して「冬を過ごすのに適していなかった」港ではなかったかと思われます。
むしろ彼らが冬を越す町が、この港の近くにはなかったのかも知れません。確かにラサヤの町は近くにはありましたが、「良い港」からラサヤの町までは10キロも離れています。
町と港に停船している船との往復を、毎日のようにしなければならないのは大変なことです。なぜなら往復20キロもあるからです。
船長および航海士の大多数の者の意見は、「ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたい。」と言うことでした。
おそらく彼らは、毎年この港で冬を過ごしていたのかも知れません。約4ヶ月もの間、海の男たちが内陸で過ごすわけですから、それなりの娯楽や快楽が必要であったことは、容易に察っし出来ることです。
百人隊長ユリアスは、船長および航海士の意見を尊重しました。まさに多数決の論理です。反対していたのは、パウロただ一人であったからです。しかし、多数決が何時でも真実となのかは、まったく別なことなのです。》