◇◆◇日々のみ言葉
2020年7月1日(水)
◎聖書箇所【マタイの福音書1章3節】
1:3 ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からです。昨日はマタイが最初に「主イエス・キリストの系図」を記載した理由について考えて見ました。今日は1章3節の本文に目を留めます。
現代訳では、
『ユダの子はパレスとザラで、彼らはタマルという嫁から生まれた者たちであり、パレスの子はエスロン、エスロンの子はアラム』となっています。やはりこの訳が良いと思います。
ところで、2017年版新改訳では、「生まれ」が「生み」にすべて変更されています。しかし、「生まれ」であっても、「生み」であっても男性が生むのではなく、女性である妻が生むのですから、厳密に言えば、意味が異なるわけです。それゆえ尾山令仁師は、「子」と訳されたのです。
ユダは、ヤコブの妻レアが生んだ四番目の息子です。長子はルベン、次男はシメオン、三男はレビです。そしてユダです。その意味は「主をほめたたえよう」です。
さて、ここに「タマル」と言う女性が登場します。現代訳では、「タマルという嫁」と訳されています。つまり、この女性はユダの妻ではなく、彼からは息子の嫁に当たると言うことなのです。
ユダには三人の男子が与えられます。長男がエル(主と言う意味)、次男がオナン、三男がシェラです。ユダは長男エルにタマルと言う妻を与えました。しかし、エルは主なる神に対して罪を犯し、主なる神は彼を裁かれたのです。具体的に何の罪を犯したのかは、分かりません。
よって、ユダヤの仕来りにより、兄嫁タマルは次男オナンの妻となります。しかしこのオナンも主なる神に対して罪を犯し、彼もまた主なる神によって裁かれてしまいます。
こうしてユダは、長男エルと次男オナンを失います。三男シェラは、その時にはまだ子どもでした。ユダヤの仕来りでは、タマルはシェラの妻になるはずでした。しかしユダは、三男シェラをも失うことを恐れて、彼が成人しても、タマルをその妻とせず、また遠のけたのです。
その頃ユダは妻を失い、男やもめになりました。その時、嫁タマルは計略を計ったのです。遊女の身なりをしてタマルはユダに近づきます。そして見事に関係を持ち、双子を生むことになったのです。
マタイは、「パレス」と「ザラ」と書き記していますが、創世記では、「ペレツ」と「ゼラフ」になっています。これはギリシャ語音読みと、ヘブル語音読みとの違いですが、私は日本語では統一して欲しいといつも思っています。
このようにして、ユダは、息子の嫁であったタマルによって、二人の男子を得ることになったわけです。その汚点とも言うべきことを、マタイは、はっきりと系図に書き記しています。
そして主イエス・キリストは、タマルが生んだ長男パレス(ペレツ)の血を受け継いでいるのです。三男シェラの血筋ではないことも、神様の摂理ではないかと思うのです。》