◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月30日(火)
◎聖書箇所【マタイの福音書1章3節】
1:3 ユダに、タマルによってパレスとザラが生まれ、パレスにエスロンが生まれ、エスロンにアラムが生まれ、
◎ショートメッセージ
《引き続き、マタイの福音書の第1章に書かれた「系図」について学びます。なぜ、マタイは一番最初に、「主イエス・キリストの系図」を持って来たのでしょうか。その理由は二つ有ります。
一つ目の理由は、マタイはこの福音書をユダヤ人の為に書き記したのです。ユダヤ人は系図を重んじます。正規なユダヤ人は、それこそイスラエルの十二部族の祖先にまでたどることが出来る系図を持っているのです。
例えば、マタイの名前ですが、本当の名前はレビです。とすれば、彼はレビ族の出身で祭司の家系なのです。レビ族に属する者でなければ、自分の息子にレビと言う名前を付けることはまず有りえないことなのです。
すると、次のような予測が成り立ちます。それはマタイの父、すなわちアルパヨは取税人ではなかったことになります。
聖書には詳しく書かれてはいませんが、アルパヨは祭司であった可能性も十分考えられるのです。本来、祭司は世襲制です。しかし、レビ(マタイ)は、そしてその弟ヤコブも取税人になりました。ローマ帝国の手先になったわけです。まさにユダヤ人の敵です。
ここら辺りにも、何か大きな物語が有りそうです。この兄弟は、祭司職を捨てて、取税人になったわけですから。
そして二つ目の理由は、主イエス・キリストが旧約聖書に預言され、約束されたメシヤであることを、ユダヤ人ならば誰もが知っている祖先の名前からたどることによって、証明しているのです。それは、主イエス様が公生涯において伝道していた時に、ユダヤ人たちがこのように言っていたからです。
『この言葉を聞いて、群衆のうちのある者は、「あの方は、確かにあの預言者なのだ。」と言い、またある者は、「この方はキリストだ。」と言った。またある者は言った。
「まさか、キリストはガリラヤからは出ないだろう。キリストはダビデの子孫から、またダビデがいたベツレヘムの村から出る、と聖書が言っているではないか。」(ヨハネの福音書7:40~7:42)』と。
そして同じ頃に、サンヘドリンにおいてこのような議論が成されました。
『彼らのうちのひとりで、イエスのもとに来たことのあるニコデモが彼らに言った。
「私たちの律法では、まずその人から直接聞き、その人が何をしているのか知ったうえでなければ、判決を下さないのではないか。」彼らは答えて言った。
「あなたもガリラヤの出身なのか。調べてみなさい。ガリラヤから預言者(モーゼに約束されたメシヤ)は起こらない。」(ヨハネの福音書7:50~7:52)』と。
これがユダヤ人たちの意識の中にあったことです。それだからこそマタイは、「主イエス・キリストの系図」を、一番最初に持って来たのです。》