◎本日の聖書箇所【使徒の働き11章1節~18節】(新約p.256上段右側)
11:1 さて、使徒たちとユダヤにいる兄弟たちは、異邦人たちも神の言葉を受け入れたことを耳にした。
11:2 そこで、ペテロがエルサレムに上って来た時、割礼を受けている者たちが彼を非難して、
11:3 「あなたは割礼を受けていない者たちの所に行って彼らと一緒に食事をした」と言った。
11:4 そこで、ペテロは彼らに事の次第を順序立てて説明した。
11:5 「私はヤッファの町で祈っていました。すると、夢心地になり、幻を見ました。大きな敷布のような入れ物が、四隅をつり下げられ、天から降りて来て、私の所に届いたのです。
11:6 その中をよく見ると、地の四つ足の動物、獣、這うもの、空の鳥が見えました。
11:7 そして、『ペテロよ、さあ、屠って食べなさい』と言う声を聞きました。
11:8 しかし私は、『主よ、そんなことはできません。私は、きよくない物や汚れた物を、まだ一度も口に入れたことがありません』と言いました。
11:9 すると、もう一度天から声が返って来ました。『神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。』
11:10 このようなことが三回あって、すべての物が再び天に引き上げられました。
11:11 すると、なんとちょうどそのとき、三人の人が私たちがいた家の前に立っていたのです。カイサリアから私のところに遣わされた人たちでした。
11:12 そして御霊は私に、ためらわずにその人たちと一緒に行くように言われました。そこで、ここにいる六人の兄弟たちも同行して、私たちはその人の家に入りました。
11:13 すると、その人は、御使いが自分の家の中に立っているのを見たこと、そして次のように語ったことを私たちに話してくれました。『ヤッファに人を遣わして、ペテロと呼ばれるシモンを招きなさい。
11:14 その人が、あなたとあなたの家の者たち全員を救う言葉を、あなたに話してくれます。』
11:15 そこで、私が話し始めると、聖霊が初めに私たちの上に下ったのと同じように、彼らの上に下ったのです。
11:16 私は主が、『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは聖霊によるバプテスマを授けられる』と言われた言葉を思い起こしました。
11:17 ですから、神が、私たちが主イエス・キリストを信じたときに私たちに下さったのと同じ賜物を、彼らにもお授けになったのなら、どうして私などが、神がなさることを妨げることができるでしょうか。」
11:18 人々はこれを聞いて沈黙した。そして「それでは神は、いのちに至る悔い改めを異邦人にもお与えになったのだ」と言って、神をほめたたえた。
◎メッセージ【第一回教会会議への予兆】
《カイサリアに駐屯していたローマ軍イタリア隊隊長コルネリウスの一件が終わりますと、シモン・ペテロは再びヤッファに戻ったと思われます。
皮なめし職人シモンの家に滞在し、宣教の本拠地として、新たに主イエスを信じて救われた兄弟姉妹たちを教え導き続けていたに違いありません。
その頃、カイサリアにおいて異邦人にも主イエスの救いの扉の門が開かれたことが、エルサレムに在住する他の使徒や弟子たちに伝えられました。
そこで、エルサレム教会牧師である主の兄弟ヤコブや他の使徒たちから、エルサレムに上って、詳しく報告をするようにと、ペテロに知らせが入ったのです。それで、ペテロはヤッファの兄弟たちを連れて、エルサレムに上ったことが、今日の場面になります。
ペテロの一行がエルサレムに到着しますと、主イエスを信じ救われている正統的なユダヤ人、すなわち割礼を受けている者たちが、ペテロを非難して来たのです。
「あなたは割礼を受けていない者たちの所に行って、彼らと一緒に食事をした。」
これは、何と言う傲慢なことなのでしょうか。もちろん非難したのは、他の使徒たちや主の兄弟ヤコブではありません。おそらく聖霊降臨日以後に救われた者たちであることは間違いのないことです。すると、以前は気が短かったペテロでしたが、穏やかに彼らに話し始めたのです。
「カイサリアへ、ここにいる6人の兄弟たちも同行して、私たちはその人の家に入りました。」 何と、カイサリアに同行した6人の兄弟が、ペテロと共にエルサレムにまで同行してくれたのです。ペテロとこの兄弟たちを足しますと完全数の7になるのです。
「そこで、私が話し始めると、聖霊が初めに私たちの上に下ったのと同じように、彼らの上に下ったのです。私は主が、『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは聖霊によるバプテスマを授けられる』と言われた言葉を思い起こしました。」
ペテロが引用した主イエスの言葉とは、よみがえられてから40日目のことで、主の一行がエルサレムからオリーブ山に移動している最中のことになります。
約束の聖霊。その聖霊が、ペテロを通して、異邦人たちにも与えられたのです。その証人として、この7人が、主イエスによってエルサレムに派遣されました。
コルネリウスは、本当に、まことの神様を祈り求めたのです。真剣に祈り求める者には、神様は必ず答えて下さいます。神様は与えて下さいます。
その事について、主イエスは一つのたとえを弟子たちに話されました。それは、友人が真夜中に訪ねて来て、三つのパンを近所の友人から分けてもらうと言う「三つのパン」の話です。 このたとえは祈りの奥義を教えています。あきらめることなく、祈り願い求めるならば、しつこさのゆえに私たちを友と呼んで下さる、友なる主イエスは必ず答えて下さるのです。》