※本日の聖書箇所(ルカの福音書8章31節~39節)新約p.129上段右側
8:31 悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行けと自分たちにお命じにならないようにと懇願した。
8:32 ちょうど、そのあたりの山に、たくさんの豚の群れが飼われていたので、悪霊どもは、その豚に入ることを許して下さいと懇願した。イエスはそれを許された。
8:33 悪霊どもはその人から出て、豚に入った。すると豚の群れは崖を下って湖へなだれ込み、おぼれて死んだ。
8:34 飼っていた人たちは、この出来事を見て逃げ出し、町や里でこのことを伝えた。
8:35 人々は、起こったことを見ようと出て来た。そしてイエスの所に来て、イエスの足もとに、悪霊の去った男が服を着て、正気に返って座っているのを見た。それで恐ろしくなった。
8:36 見ていた人たちは、悪霊につかれていた人がどのように救われたか、人々に知らせた。
8:37 ゲラサ周辺の人々は皆、イエスに、自分たちの所から出て行ってほしいと願った。非常な恐れに取りつかれていたからであった。それで、イエスが舟に乗って帰ろうとされると、
8:38 悪霊が去ったその人は、お供をしたいとしきりに願った。しかし、イエスはこう言って彼を帰された。
8:39 「あなたの家に帰って、神があなたにして下さったことをすべて、話して聞かせなさい。」それで彼は立ち去って、イエスが自分にして下さったことをすべて、町中に言い広めた。
◎メッセージ【レギオンからの救い】
《先週の続きです。さて、マタイの福音書においては、不思議なことに、悪霊に憑かれた人の人数が異なっており、『悪霊につかれた人が二人、墓場から出て来てイエスを迎えた。彼らはひどく狂暴で誰もその道を通れないほどであった。』となっています。
どちらが正しいのでしょうか。尾山先生は、実際には二人であったが、救われたのはその内の一人であったと解釈しています。それ故、マルコとルカは、救われた人だけに焦点を当てて書き記したと言われます。
「私たちを追い出そうとされるのでしたら、豚の群れの中に送って下さい。」
主イエスはそれを許され、悪霊どもはその人から出て豚に入り、二千匹の豚の群れは崖を下って湖へなだれ込み、おぼれて死にました。この出来事を見た豚飼いは、逃げ出して、このことを伝えます。すると、ゲラサの町から大勢の人々がやって来ます。そして主イエスの足もとに、悪霊の去った男が服を着て正気に返って座っているのを見るのです。
そこに、その町の長老たちが主イエスの御元にやって来て、「自分たちの所から出て行ってほしい」と願ったとあります。
カペナウムの向こう岸の「ゲラサの町」の大きな問題は、悪霊に取り憑かれ、墓場で暮らす男の問題でした。なぜなら、彼によって、誰も夜から夜明けまでは、街道を通り抜けることが出来なかったからです。
その問題を、主が解決して下さったにもかかわらず、彼らの心は、溺れ死んだ二千匹の豚にありました。主イエスが恵みを持って来て下さったにもかかわらず、彼らは主イエスを拒んだのです。
このことから病いがいやされ、また問題が解決されたとしても、主イエスを必要としない人たちが存在することを、私たちに教えています。
いやされたから、また解放されたから、その人が救われるとは限らないのです。しかし、レギオンから解放された二人のうち、一人はそうではなかったのです。彼は、主イエスとお供をしたいとしきりに願いましたが、主イエスは彼を帰されます。
「あなたの家に帰って、神があなたにして下さったことをすべて話して聞かせなさい。」
まずは、ガラサの町に住んでいる自分の家族のもとに帰って証しをしなさい、ということです。そして、家族と共に神を喜び誉め讃えなさい、と言うことです。
まさしく、パウロが言うように、「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と言う言葉の通りなのです。》