◇◆◇日々のみ言葉
2016年6月23日(木)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章69節~71節】
14:69 すると女中は、ペテロを見て、そばに立っていた人たちに、また、「この人はあの仲間です。」と言いだした。
14:70 しかし、ペテロは再び打ち消した。しばらくすると、そばに立っていたその人たちが、またペテロに言った。「確かに、あなたはあの仲間だ。ガリラヤ人なのだから。」
14:71 しかし、彼はのろいをかけて誓い始め、「私は、あなたがたの話しているその人を知りません。」と言った。
◎ショートメッセージ
《一昨日は、一度目の否認を、昨日は二度目の否認を学びました。そして今日は、いよいよ三度目の否認について、考えて見たいと思います。
マタイによれば、
『しばらくすると、そのあたりに立っている人々がペテロに近寄って来て、「確かに、あなたもあの仲間だ。言葉のなまりではっきりわかる。」と言った。すると彼は、「そんな人は知らない。」と言って、のろいをかけて誓い始めた。(マタイの福音書26:73~26:74)』と書かれています。
そしてルカによれば、
『それから一時間ほどたつと、また別の男が、「確かにこの人も彼と一緒だった。この人もガリラヤ人だから。」と言い張った。しかしペテロは、「あなたの言うことは私にはわかりません。」と言った。(ルカの福音書22:59~22:60)』と書かれています。
三つの共観福音書から総合して見ますと、この時には大騒ぎになっていたことが分かります。ペテロが二度も否認したため、回りにいた人々、しかも男たちが、逃げようとするペテロに近づいて来て、かわるがわる言い始めたのです。
「確かに、あなたはあの仲間だ。ガリラヤ人なのだから。」
「確かに、あなたもあの仲間だ。言葉のなまりではっきりわかる。」
「確かにこの人も彼と一緒だった。この人もガリラヤ人だから。」
この時、ペテロは、もう逃れることも出来ないほどの、確証たる証拠を突きつけらてしまいました。それは「ガリラヤ訛り」です。ガリラヤ地方の言葉は、かなり乱暴な発音であって、汚い印象を与えたとの事です。
例えて言うならば、フランス語は、とても柔らかく美しい発音で女性的な印象を与えるかと思われますが、ドイツ語は、はっきりと発音しなければならず、強い口調を伴い、どちらかと言うと男性的な印象を与えるかと思います。
当時の公用語はアラム語でしたが、同じアラム語であっても、フランス語とドイツ語ぐらいの違いがあったと言えるほどなのです。それほど、特徴のある訛りだったのです。
まさにしっぽを捕まれてしまったのです。それに対してペテロはどうしたでしょうか。
何と、呪いをかけて誓い始めたのです。これは徹底的な否定であり否認であり、まさしくこの時ペテロは、イエス様を完全に裏切ったとも言えるのです。それほどの、強い否定を、彼は三度目にしたのです。してしまったのです。
それでは、具体的にペテロは、どのような呪いをかけて誓ったのでしょうか。福音書の記者である四人は、あえて書き記してはいません。賢明なことだと思います。
しかし、聖書からそのヒントを得ることが出来ます。
第二サムエル記には、ダビデの誓いの言葉が載っています。
『民はみな、まだ日のあるうちにダビデに食事をとらせようとしてやって来たが、ダビデは誓って言った。「もし私が、日の沈む前にパンでも、ほかの何物でも味わったなら、神がこの私を幾重にも罰せられますように。」(第二サムエル記3:35)』
つまり、「~なら、神がこの私を幾重にも罰せられますように。」と、ペテロは呪って誓った可能性が高いのです。》