◇◆◇日々のみ言葉
2016年7月1日(金)
◎聖書箇所 【マルコの福音書15章12節~13節】
15:12 そこで、ピラトはもう一度答えて、「ではいったい、あなたがたがユダヤ人の王と呼んでいるあの人を、私にどうせよというのか。」と言った。
15:13 すると彼らはまたも「十字架につけろ。」と叫んだ。
◎ショートメッセージ
《引き続き、イエス様の政治的裁判(世俗的裁判)の最後の裁判(ピラトによる二度目の法廷)について考えて見たいと思います。
ここでピラトは群衆にこう言っています。
「ではいったい、あなたがたがユダヤ人の王と呼んでいるあの人を、私にどうせよというのか。」
これはどういうことかと言いますと、祭司長や民の長老たち、そしてパリサイ人や律法学者たちは、イエス様を国家反逆罪として訴え出たからです。
ルカの福音書によれば、
『彼らは全員が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。そしてイエスについて訴え始めた。彼らは言った。「この人はわが国民を惑わし、カイザルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることがわかりました。」(ルカの福音書23:1~23:2)』と、書かれてあります。
それゆえピラトは、イエス様に質問したのです。
「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」
するとイエス様は、お答えになられました。
「そのとおりです。」
だからこそピラトは、祭司長や民の長老たち、そしてパリサイ人や律法学者たちに、「ではいったい、あなたがたがユダヤ人の王と呼んでいるあの人を、私にどうせよというのか。」と言ったわけです。
するとユダヤの指導者たちは、またもや「十字架につけろ」と叫んだのです。
ここで、マルコは、「またも」と言っていますが、本当はその前から彼らはイエス様を十字架につけよ、と叫んでいた事実が分かります。
ここでも主イエス様の言われた預言が成就することになります。
マタイによれば、
『イエスは、これらの話をすべて終えると、弟子たちに言われた。「あなたがたの知っているとおり、二日たつと過越の祭りになります。人の子は十字架につけられるために引き渡されます。」(マタイの福音書26:1~26:2)』と、書かれています。
これは、イエス様による三回目の受難予告です。「過越の祭」にエルサレムに上られる直前に弟子たちに言われことです。
「十字架」は、ユダヤには無い死刑方法です。これはローマ帝国が、カイザルに従わない者たちに、見せしめとして考え出した、最も残酷な処刑方法なのです。
ユダヤ人の指導者たちは、「見せしめ」として、イエス様を処刑しろ、とピラトに要求しました。
カイザルから絶大の信頼を得て、ユダヤ総督になった人物ポンテオ・ピラトは、決して愚か者ではありませんでしたから、ユダヤの指導者たちがイエス様に死刑を要求している本当の理由は、「ねたみ」であったことを知っていたのです。》