◇◆◇日々のみ言葉
2020年3月18日(水)
◎聖書箇所【使徒の働き22章25節~28節】
22:25 彼らがむちを当てるためにパウロを縛った時、パウロはそばに立っている百人隊長に言った。「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むち打ってよいのですか。」
22:26 これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところに行って報告し、「どうなさいますか。あの人はローマ人です。」と言った。
22:27 千人隊長はパウロのところに来て、「あなたはローマ市民なのか、私に言ってくれ。」と言った。パウロは「そうです。」と言った。
22:28 すると、千人隊長は、「私はたくさんの金を出して、この市民権を買ったのだ。」と言った。そこでパウロは、「私は生まれながらの市民です。」と言った。
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。
主イエスが、ローマ総督ポンテオ・ピラトの命によって受けたと同じ「むち打ち刑」を、受けることになろうとした時、パウロは自分を縛った百人隊長に、ギリシャ語で話しかけたのです。
「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むち打ってよいのですか。」
主の十字架の時には、ポンテオ・ピラトによる政治裁判が、二度ほど行なわれました。しかも一回目と三回目の裁判の間に、ガリラヤ国主ヘロデ・アンティパスの裁判も行なわれました。
主は無罪であったにも関わらず、懲らしめと見せしめの為に、むち打ち刑を執行させられたのです。あの激しいむち打ち刑によって、死ななかったのが不思議なくらいですが、それは大工としての屈強な体を持っておられたからに違いありません。
良く聖画に描かれている細身のイエス様ではなく、まさに筋骨隆々であったのです。しかしそうであっても、むち打ち刑によって、背中はボロボロとなり、背骨が見えていたとも伝えられています。
それゆえ、クレネ人シモンが代わりとなって、十字架をゴルゴタの丘まで担いで行くことになるわけです。
さて、百人隊長は急いで千人隊長に告げ知らせます。
「どうなさいますか。あの人はローマ人です。」
それを聞いて千人隊長は、急いでパウロのところに駆けつけます。
「あなたはローマ市民なのか、私に言ってくれ。」
「そうです。」
「私はたくさんの金を出して、この市民権を買ったのだ。」
「私は生まれながらの市民です。」
当時ユダヤ人でありながら、ローマ市民権を持っている者は、本当に希であったのです。しかも「生まれながら」と言うことは、両親がローマ市民であるということです。
伝承では、皇帝アウグストゥスの軍隊の為に、天幕作りの職人であったパウロの両親が、たくさんの良品の天幕を製造して納品し、それに感激した皇帝が、パウロの両親にローマ市民権を与えたとも言われています。もちろん確証はありませんが。
当時、多くの者は、本当に大金をはたいて、この市民権を買ったのです。》