◇◆◇日々のみ言葉
2020年3月19日(木)
◎聖書箇所【使徒の働き22章29節~30節】
22:29 このため、パウロを取り調べようとしていた者たちは、すぐにパウロから身を引いた。また千人隊長も、パウロがローマ市民だとわかると、彼を鎖につないでいたので、恐れた。
22:30 その翌日、千人隊長は、パウロがなぜユダヤ人に告訴されたのかを確かめたいと思って、パウロの鎖を解いてやり、祭司長たちと全議会の召集を命じ、パウロを連れて行って、彼らの前に立たせた。
◎ショートメッセージ
《「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むち打ってよいのですか。」
「どうなさいますか。あの人はローマ人です。」
「あなたはローマ市民なのか、私に言ってくれ。」
「そうです。」
「私はたくさんの金を出して、この市民権を買ったのだ。」
「私は生まれながらの市民です。」と言った。
私たちは身分証明書として、運転免許証を持参しています。中には、免許証ではなく、マイナンバーカードを持ち歩いている方もおられるかも知れません。
さて、ローマ市民権とは、ローマ帝国の首都ローマ市に属する者として、多くの特権を与えられていました。だからこそ、人々は大金をはたいて市民権を買ったのです。
しかし、何時の時代においても、嘘偽りを言う者は存在します。よって、ローマ市民であるならば、それを証明するものを何か持っていたはずです。今現在の私たちが、運転免許証を持っているように。
私は、この時パウロは千人隊長に、その証拠あるいは印を見せたと思うのです。また、この時の言動から百人隊長は、ローマ市民ではないことがうかがえます。
パウロがローマ市民であることが分かったことは、それが証明されたことを意味しています。だからこそ、パウロを取り調べようとしていた者たちは、すぐに身を引いたのです。
また千人隊長も、パウロがローマ市民だとわかると恐れたわけです。なぜ千人隊長は恐れたのでしょうか。それはローマ市民の特権を知っていたからです。ローマ市民は不当な扱いを受けると告訴する権利が与えられていたのです。
この後すぐに、パウロは鎖を外されたに違いありません。そして翌日、千人隊長はユダヤ最高議会を招集することになります。
しかし、この権限は千人隊長ではなく、本来エルサレムに在住していたローマ総督にあります。千人隊長は、ローマ総督の許可を取ったと思われます。そして議会に、パウロと共に立つことになるのです。
かつての青年サウロは、この議会の議員でした。おそらく主イエスの裁判の時にも、この場にいたと思われます。しかし今は、彼はパウロとして被告席に立っています。そこから周りを見渡しますと、多くの顔見知りの者たちがいたに違いありません。この時、パウロは何を思い描いていたことでしょうか。明日から、23章に入ります。》