◇◆◇日々のみ言葉
2021年10月26日(火)
◎聖書箇所【マタイの福音書22章15節~17節】
22:15 その頃、パリサイ人たちは出て来て、どのようにイエスを言葉のわなにかけようかと相談した。
22:16 彼らはその弟子たちを、ヘロデ党の者たちと一緒にイエスのもとにやって、こう言わせた。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは、人の顔色を見られないからです。
22:17 それで、どう思われるのか言って下さい。税金をカイザルに納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。
パリサイ人とヘロデ党の者たちがやって来て、主イエスに質問して来ました。
現代訳では、
「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、また、だれをもはばからない方だと存じております。あなたは、人の顔色をご覧にならないからです。それで、どうお考えになっておられるのか、どうか、私たちにはっきりとおしゃって下さい。私たちがローマの皇帝に税金を納めることは、律法にかなっているでしょうか。かなっていないでしょうか。納めるべきでしょうか。それとも、納めるべきではないのでしょうか。」と、なっています。
実は、パリサイ人は選民意識が極めて強く、熱心党ほどではないにしても、ローマ帝国や領主ヘロデ・アンティパスに税を納めることを、いさぎよしとはしない人々でした。
それに対して、ヘロデ党と言うのは、ハスモニア王朝の血筋を引くヘロデ家を何とかして先代のヘロデ大王の時代のような、隆盛に戻すことを願っている人々でした。
彼らもまたローマ帝国そのものに、決して好意を持ってはいませんでしたが、それでもヘロデ家を盛り立てる為には、後ろ盾となっているローマ帝国に忠誠を尽くし、ローマ皇帝に税を納めて、良い心証を与えることが必要不可欠だと考えていた人々です。
すなわち、パリサイ人とヘロデ党の者たちは、納税については、まったく相反する考えを持っていたのです。
相反する者たちを主イエスの所に送って来たのは、主イエスの答えがどちらにころんだとしても、無事には済ませないためであったのです。
もし「納めるべきではない」と答えるなら、ローマ帝国反逆罪の罪に問うことが出来ます。
そして、「納めるべきだ」と答えるなら、ガリラヤとペレヤの王であるヘロデ・アンティパスに対する反逆罪で、ヘロデ党の者たちに成敗させることが出来ます。
もちろん、主イエスは、その計画をすでに見抜いておられました。彼らがどんなに上手に企てたとしても、まことの人であると同時に、まことの神様である主イエスに、分からない事は何一つないからです。
この問いに対して、主イエスは明確に彼らの罪を指摘されるのです。》