◇◆◇日々のみ言葉
2021年10月27日(水)
◎聖書箇所【マタイの福音書22章18節~22節】
22:18 イエスは彼らの悪意を知って言われた。「偽善者たち。なぜ、私をためすのか。
22:19 納め金にするお金を私に見せなさい。」そこで彼らは、デナリを一枚イエスのもとに持って来た。
22:20 そこで彼らに言われた。「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」
22:21 彼らは、「カイザルのです。」と言った。そこで、イエスは言われた。「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」
22:22 彼らは、これを聞いて驚嘆し、イエスを残して立ち去った。
◎ショートメッセージ
《ユダヤの最高議会議員であったパリサイ人たちは、どのように主イエスを言葉のわなにかけようかと相談していました。
彼らは自分の弟子たちを、ヘロデ党の者たちと一緒に主イエスのもとに送って来た。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは、人の顔色を見られないからです。それで、どう思われるのか言って下さい。税金をカイザルに納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」
もちろん、この質問が何を誘導しているのか主イエスには分かっていました。そして、
「偽善者たち。なぜ、私をためすのか。納め金にするお金を私に見せなさい。」
そこで、彼らは1デナリを主のもとに持って来たのです。
デナリとは、ローマ帝国の銀貨で、パレスチナでも使用されていました。ユダヤ人がローマへ納税する時には、このデナリ銀貨が用いられました。これにはカイザルの肖像が刻まれていたようです。デナリはギリシヤのドラクマ銀貨と同額で、当時最もよく使われた通貨でした。
また、1デナリは労務者1人の1日の労賃に相当するものでした。ローマの兵卒の年俸は300デナリであったと言われています。
「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」
「カイザルのです。」
「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」
ここで主イエスは、明らかに納税の義務を主張しています。このことは、ペテロもパウロも同じです。
『人の立てたすべての制度に、主のゆえに従いなさい。それが主権者である王であっても、また、悪を行なう者を罰し、善を行なう者をほめるように王から遣わされた総督であっても、そうしなさい。(第Ⅰペテロ2:13~2:14)』
『同じ理由で、あなたがたは、みつぎを納めるのです。彼らは、いつもその務めに励んでいる神のしもべなのです。あなたがたは、だれにでも義務を果たしなさい。みつぎを納めなければならない人にはみつぎを納め、税を納めなければならない人には税を納め、恐れなければならない人を恐れ、敬わなければならない人を敬いなさい。(ローマ13:6~13:7)』
ペテロもパウロも、主イエスの教えに従い、納税することを勧めているのです。》