◎本日の聖書箇所【使徒の働き15章6節~12節】(新約聖書p.264下段右側)
15:13 二人が話し終えると、ヤコブが応じて言った。「兄弟たち、私の言うことを聞いてください。
15:14 神が初めに、どのように異邦人を顧みて、彼らの中から御名のために民をお召しになったかについては、シメオンが説明しました。
15:15 預言者たちの言葉もこれと一致していて、次のように書かれています。
15:16 『その後、私は倒れているダビデの仮庵を再び建て直す。その廃墟を建て直し、それを堅く立てる。
15:17 それは、人々のうちの残りの者と私の名で呼ばれるすべての異邦人が、主を求めるようになるためだ。
15:18 昔から知らされていたこと、それを行なう主の言葉。』
15:19 ですから、私の判断では、異邦人の間で神に立ち返る者たちを悩ませてはいけません。
15:20 ただ、偶像に供えて汚れたものと、淫らな行ないと、絞め殺したものと、血とを避けるように、彼らに書き送るべきです。
15:21 モーセの律法は、昔から町ごとに宣べ伝える者たちがいて、安息日ごとに諸会堂で読まれているからです。」
◎メッセージ【主の兄弟ヤコブの発言(第一回エルサレム教会会議その③)】
《第一回エルサレム教会会議の続きとなります。前回は、シモン・ペテロによる聖霊に満たされた発言によって、集まっていた者たちが、静かになったことについて学びました。
そして今度はパウロとバルナバが、異邦人の救いの証しについて話し始めました。そして、最高のタイミングを見計らって、初代牧師である主の兄弟ヤコブが発言したのです。
「兄弟たち、私の言うことを聞いて下さい。神が初めに、どのように異邦人を顧みて、彼らの中から御名のために民をお召しになったかについては、シメオンが説明しました。」
主イエスには、ヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダの4人の弟が、そして2人以上の妹がいたことを聖書は書き記しています。ヤコブは紛れもなく次男であり、「ヤコブの手紙」の執筆者でもあります。
不思議なことに、主イエスの公生涯中には、彼らは兄を信じなかったとあります。十字架の側には、母マリアだけがおり、彼らがいなかったことは明白です。
しかし、主イエスが復活され、四十日目に昇天された後に、ヨハネ・マルコの家には、母マリアだけでなく、弟と妹たちが共に祈りを捧げています。主イエスが復活後に、彼らが救われたことは間違いないことです。使徒パウロは、このように書き記しています。
『その後、キリストはヤコブに現われ、それからすべての使徒たちに現われました。』と。 そしてその後、エルサレム教会では、主の兄弟ヤコブとペテロとヨハネが重んじられて行くのです。紀元70年エルサレム陥落の時、市内からクリスチャンを脱出させるのは、主の兄弟ヤコブと使徒ヨハネです。さて、ヤコブは続けます。
「預言者たちの言葉もこれと一致していて、次のように書かれています。『その後、私は倒れているダビデの仮庵を再び建て直す。その廃墟を建て直し、それを堅く立てる。それは、人々のうちの残りの者と私の名で呼ばれるすべての異邦人が、主を求めるようになるためだ。昔から知らされていたこと、それを行なう主の言葉。』と。
これは旧約聖書のアモス書からの引用です。さらに、ヤコブは続けます。
『ですから、私の判断では、異邦人の間で神に立ち返る者たちを悩ませてはいけません。ただ、偶像に供えて汚れたものと、淫らな行ないと、絞め殺したものと、血とを避けるように、彼らに書き送るべきです。』と。
「偶像に備えたものはすべて汚れている」と言うのがユダヤ人の理解です。つまり「それを食べてはならない」と言うことです。
次に「淫らな行ない」とは、性的不品行を指しています。当時のユダヤでは、おもに近親相姦を指していたと言われています。
つぎに、「絞め殺したもの」と言うことですが、絞め殺された動物は体内に血が残るのです。つまり血を食べてはならない、と言うことを指しています。
最後に、私たちは「血」から何を想像しますか。それは、主イエスが私たち一人一人の罪の身代わりとして、十字架の上で、流して下さった尊い血ではないでしょうか。罪の償いは血を流すことだからです。主イエスの血潮によって、私たちは罪赦され、清められ、永遠の命をいただいたのです。》