• 2022年10月23日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【使徒の働き20章13節~17節】(新約聖書p.276下段左側)
    20:13 私たちは先に船に乗り込んで、アソスに向けて船出した。そこからパウロを船に乗せることになっていた。パウロ自身は陸路をとるつもりでいて、そのように決めていたのである。
    20:14 こうしてパウロはアソスで私たちと落ち合い、私たちは彼を船に乗せてミティレネに行った。
    20:15 翌日そこから船出して、キオスの沖に達し、その次の日にサモスに立ち寄り、さらにその翌日にはミレトスに着いた。
    20:16 パウロは、アジアで時間を取られないようにと、エペソには寄らずに航海を続けることに決めていた。彼は、できれば五旬節の日にはエルサレムに着いていたいと、急いでいたのである。
    20:17 パウロはミレトスからエペソに使いを送って、教会の長老たちを呼び寄せた。

    ◎メッセージ【アソスからミレトスへ】
    《港町トロアスから、「私たち」は船に乗り込んだとありますが、このメンバーとは、ルカ本人とピロの子であるベレア人ソパテロ、テサロニケ人のアリスタルコとセクンド、デルベ人のガイオ、テモテ、アジア人のティキコとトロフィモであった、とルカは書き記しています。
     さて、ここに興味深い事が書かれています。つまり、ルカは、パウロと別行動を取ったことです。パウロは、トロアスから25キロ離れたアソスまで陸路を取ったのです。この時、パウロが一人で行ったのか、誰かが行動を共にしたのか、またなぜ陸路を通る必要があったのかについては、何も書かれてはいません。
     パウルは、アソスにて、エルサレムに行く仲間たちと合流します。そして、そこから船に乗り、ミティレネ、サモスを経てミレトスに向かいます。船はそれぞれの港で一泊したことが分かります。「ミティレネ」とは、エーゲ海のレスボス島の首都のことです。そして、天才詩人ホメロスが生まれたと伝えられている「キヨス島」の沖合を通過し、サモスに寄港します。それから、エペソには寄らず、アジヤ州でエペソに次ぐ大都市である「ミトレス」の港に立ち寄ります。パウロはそこから、エペソ教会の長老たちを呼びよせるのです。後年パウロは再びこの町を訪問します。
     ところで、なぜパウロはエルサレム行きを急いでいたのでしょうか。それは、異邦人教会の責任者たち、すなわち指導者である長老たちと共に、その所属する教会からの献金を直接届けて、エルサレム教会を励ます為なのです。
     また、その焦点を「五旬節」と定めていたのは、まさに聖霊降臨日こそが、実は異邦人教会の誕生した瞬間だからです。
     その時、数千人のディアスポラのユダヤ人が、大きな物音を聞いて、ヨハネ・マルコの家に集まって来ました。そして、シモン・ペテロのメッセージを聞いて、三千人の兄弟が救われ、バプテスマを受けたのです。この時が、真の意味において教会の始まりであり、異邦人教会へと繋がって行く原点となります。
     パウロは、常に「聖霊」を強調します。この時、聖霊の時代が始まりました。使徒の時代が始まったのです。そして、今も「使徒の時代」が、「聖霊の時代」が続いています。 聖書には書かれてはいませんが、エルサレム教会は、聖霊降臨日(五旬節)を大切にしていたのではないでしょうか。今現在の教会が、ペンテコステをお祝いするように。 そして、そのお祝いの時に、パウロが数回におよんで伝道し、築いて来た異邦人教会の長老たちが、自らエルサレムに赴いて、尊い献金を手渡したとしたら、困窮の中にある、エルサレム教会はどんなに励まされ、勇気づけられたことでしょう。私たちクリスチャンは、他のクリスチャンを励ますことができるのです。》

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