◎本日の聖書箇所【ルカの福音書3章15節~20節】(新約聖書p.114上段右側)
3:15 人々はキリストを待ち望んでいたので、みなヨハネのことを、もしかするとこの方がキリストではないか、と心の中で考えていた。
3:16 そこでヨハネは皆に向かって言った。「私は水であなたがたにバプテスマを授けています。しかし、私よりも力のある方が来られます。私はその方の履き物のひもを解く資格もありません。その方は聖霊と火で、あなたがたにバプテスマを授けられます。
3:17 また手に箕を持って、ご自分の脱穀場を隅々まで掃ききよめ、麦を集めて倉に納められます。そして、殻を消えない火で焼き尽くされます。」
3:18 このようにヨハネは、ほかにも多くのことを勧めながら、人々に福音を伝えた。
3:19 しかし領主ヘロデは、兄弟の妻ヘロディアのことと、自分が行った悪事のすべてをヨハネに非難されたので、
3:20 すべての悪事にもう一つ悪事を加え、ヨハネを牢に閉じ込めた。
◎メッセージ【バプテスマのヨハネの預言】
《この当時のユダヤの人々は、誰もがキリストを待ち望んでいました。しかし、彼らが待ち望んでいたのは、モーセやヨシュアのような政治的指導者であって、イスラエルを、ローマ帝国から解放してくれる人物であったのです。
さて、30歳となったヨハネは「悔い改めのバプテスマのミニストリー」を始めました。この働きは、瞬く間に、ユダヤ全域にまで広がりました。それゆえ、ユダヤの人々は、皆ヨハネのことを、「もしかするとこの方がキリストではないか」と心の中で考えていました。
さて、ヨハネの福音書によりますと、エルサレムから遣わされて来た祭司たちとレビ人たちが、ヨハネに尋ねます。
「あなたはどなたですか。」
「私はキリストではありません。」
「それでは、何者なのですか。あなたはエリヤですか。」
「違います。」
「では、あの預言者ですか。」
「違います。」
「あなたはだれですか。私たちを遣わした人たちに返事を伝えたいのですが、あなたは自分を何だと言われるのですか。」
「私は、預言者イザヤが言った、『主の道をまっすぐにせよ、と荒野で叫ぶ者の声』です。」
「キリストでもなく、エリヤでもなく、あの預言者でもないなら、なぜ、あなたはバプテスマを授けているのですか。」
「私は水でバプテスマを授けていますが、あなたがたの中に、あなたがたの知らない方が立っておられます。その方は私の後に来られる方で、私にはその方の履き物のひもを解く値打ちもありません。その方は聖霊と火で、あなたがたにバプテスマを授けられます。また手に箕を持って、ご自分の脱穀場を隅々まで掃ききよめ、麦を集めて倉に納められます。そして、殻を消えない火で焼き尽くされます。」
ヨハネが預言しているのは、「聖霊降臨(ペンテコステ)」のことです。使徒の働きによりますと、主イエス様は、オリーブ山での昇天直前に、弟子たちに次のように言われました。
『「エルサレムを離れないで、私から聞いた父の約束を待ちなさい。」』と。これこそが、「聖霊のバプテスマ」です。
ヨハネは、この後、すぐに来られる「真の救い主」なるお方、主イエス・キリストに、人々の目線を向けさせることが役目であったのです。
また、ヨハネの働きは、決して長い期間に及んでいなかったことは、明らかです。やがて、彼はヘロデ・アグリッパに捕らえられ殉教します。その後、人々の目は主イエス様に注がれることになって行くのです。
今週からアドベントに入りました。主がなぜこの世に来なければならなかったのか、何の為にお生まれになられたのか、その意味を今一度、共に考えて行きたいと思います。》