• 2023年12月17日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【ルカの福音書3章21節~22節】(新約聖書p.114上段左側)
    3:23 イエスは、働きを始められたとき、およそ三十歳で、ヨセフの子と考えられていた。ヨセフはエリの子で、さかのぼると、
    3:24 マタテ、レビ、メルキ、ヤンナイ、ヨセフ、
    3:25 マタティア、アモス、ナホム、エスリ、ナガイ、
    3:26 マハテ、マタティア、シメイ、ヨセク、ヨダ、
    3:27 ヨハナン、レサ、ゼルバベル、シェアルティエル、ネリ、
    3:28 メルキ、アディ、コサム、エルマダム、エル、
    3:29 ヨシュア、エリエゼル、ヨリム、マタテ、レビ、
    3:30 シメオン、ユダ、ヨセフ、ヨナム、エルヤキム、
    3:31 メレア、メンナ、マタタ、ナタン、ダビデ、
    3:32 エッサイ、オベデ、ボアズ、サラ、ナフション、
    3:33 アミナダブ、アデミン、アルニ、ヘツロン、ペレツ、ユダ、
    3:34 ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、
    3:35 セルグ、レウ、ペレグ、エベル、シェラ、
    3:36 ケナン、アルパクシャデ、セム、ノア、レメク、
    3:37 メトシェラ、エノク、ヤレデ、マハラルエル、ケナン、
    3:38 エノシュ、セツ、アダム、そして神に至る。

    ◎メッセージ【主イエス・キリストの系図】
    《今日は、ルカの福音書三章の最後となります。
    『イエスは、働きを始められたとき、およそ三十歳で、ヨセフの子と考えられていた。』
     三十歳で主イエスは公生涯を始められました。この年になれば、ラビとして教える資格があるとされていました。バプテスマのヨハネも三十歳です。
     また、「ヨセフの子と考えられていた」と言う表現は、微妙な表現で、ナザレの人々が「マリアの子」と呼んでいたことから、実はヨセフの子ではないと言う事実が、ナザレでは広まっていたのではないでしょうか。
     ルカは、ヨセフから始めて、しかも逆に家系をさかのぼって書き記しています。しかし、ヨセフはエリの子ではありません。この系図は、ヨセフではなく母マリアの系図なのです。もちろんルカは「マタイの福音書」の存在を知っています。マタイの福音書の最初には、ヨセフの系図が記載されています。
     マタイが、この系図を最初に持って来た理由は、マタイはユダヤ人の為に福音書を執筆したからです。ユダヤ人は系図を重んじ、自分の血統を大切にしているからです。
     そして、もう一つの理由は、ヨセフは紛れもなく「ダビデの子孫」であることを明らかにする為なのです。マタイはこの系図に四人の女性の名をあえて書き記しています。
     「タマル」ユダの息子エルとオナンの妻になった女性です。
     「ラハブ」エリコの遊女で、ヨシュアが送った二人の斥候をかくまいました。
     「ルツ」ナオミの息子の嫁であり、モアブの女性です。そして最後が、
     「ウリヤの妻」バテ・シェバです。彼女はダビデに四人の子どもを産みました。
     シャムア、ショバブ、ナタン、ソロモンで、最初の子「シャムア」はすぐに死んだと考えらえます。三男がナタンで、ここからマリアの系図が分かれることになります。
     ヨセフは、正統的な血筋であって、ダビデの子ソロモンの血を引く者であることは間違いありません。それゆえ人口調査の時に、ダビデの町ベツレヘムに赴いたのです。
     マタイは、主イエス・キリストの父と考えられていたヨセフが、ダビデとソロモンの血筋を引く者であることを、ユダヤ人に証明したと考えられます。マタイは、主ご自身から、あるいは、エルサレム教会の初代牧師である「主の兄弟ヤコブ」から、ヨセフの系図を聞き出した可能性は、十分に考えられることです。
     それでは、なぜルカは、あえてマリアの系図を書き記したのでしょうか。その理由は、ただ一つです。それは、主イエスが真にダビデの子孫なのか、という疑問に答える為であったと思われます。
     イザヤによりますと、『エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。その上に主の霊がとどまる。それは知恵と悟りの霊、思慮と力の霊、主を恐れる、知識の霊である』と書かれています。エッサイとは、ダビデの父にあたります。
     また、預言者ナタンがダビデの所にやって来て、神の言葉を伝えたことがありました。
    『今、私はあなたに告げる。主があなたのために一つの家を建てる、と。あなたの日数が満ち、あなたが先祖のもとに行くとき、私はあなたの息子の中から、あなたの後に世継ぎの子を起こし、彼の王国を確立させる。
     彼は私のために一つの家を建て、私は彼の王座をとこしえまでも堅く立てる。私は彼の父となり、彼は私の子となる。私の恵みを、私はあなたより前にいた者から取り去ったが、彼からはそのように取り去ることはしない。私は、私の家と私の王国の中に、彼をとこしえまでも立たせる。彼の王座はとこしえまでも堅く立つ。』」と。(第Ⅰ歴代誌17:10~17:14)
     これこそが、メシアがダビデの子と呼ばれるゆえんなのです。つまりルカは、あえてマリアの系図を福音書に掲載することによって、マリアの子と呼ばれていた「ナザレのイエス」は、まことに聖書の預言通り、ダビデの血筋を引き継ぐ者であることを、証明しているのです。
     来週はクリスマス礼拝です。神様が人となって来られた日をお祝いします。主は、私たちが罪赦され、神の子とされ永遠の命を得る為に、この世界に来られたのです。》

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