◎本日の聖書箇所【ルカの福音書7章24節~28節】(新約聖書p.125上段右側)
7:24 ヨハネの使いが帰ってから、イエスはヨハネについて群衆に話し始められた。「あなたがたは、何を見に荒野に出て行ったのですか。風に揺れる葦ですか。
7:25 では、何を見に行ったのですか。柔らかな衣をまとった人ですか。ご覧なさい。きらびやかな服を着て、ぜいたくに暮らしている人たちなら宮殿にいます。
7:26 では、何を見に行ったのですか。預言者ですか。そのとおり。私はあなたがたに言います。預言者よりもすぐれた者をです。
7:27 この人こそ、『見よ、私は私の使いをあなたの前に遣わす。彼は、あなたの前にあなたの道を備える』と書かれているその人です。
7:28 私はあなたがたに言います。女から生まれた者の中で、ヨハネよりも偉大な者はだれもいません。しかし、神の国で一番小さい者でさえ、彼より偉大です。
◎メッセージ【一番小さな者とは?】
《主イエスは、ヨハネの弟子たちに、
「あなたがたは行って、自分たちが見たり聞いたりしたことをヨハネに伝えなさい。だれでも、私につまずかない者は幸いです。」と言う伝言を与えました。実は、この伝言は、イザヤ書に預言されていた「メシア」のしるしでもあるのです。
しかし、この時には、主イエスは御わざをなされてはいません。それゆえ彼らは、主と同行して来た群衆に尋ね求めたとも思われます。その中には、主イエスによって癒された人々が数多く存在していたことは、間違いありません。
彼らの生きた証しこそ真実であり、また事実なのですから、バプテスマのヨハネの弟子たちは、その真摯な証しに驚嘆したと思われます。
さて、主イエスはヨハネのために、ついて来た群衆と弟子たちに、ヨハネがどのような人物であるのか、語り始めました。
「あなたがたは、何を見に荒野に出て行ったのですか。預言者よりもすぐれた者をです。この人こそ、『見よ、私は私の使いをあなたの前に遣わす。彼は、あなたの前にあなたの道を備える』と書かれているその人です。」
主イエスは、ここで旧約聖書最後の預言者マラキから引用されています。そして、さらに、「私はあなたがたに言います。女から生まれた者の中で、ヨハネよりも偉大な者はだれもいません。」とも言われました。これは、バプテスマのヨハネの誕生に関わる事実から来ています。母マリアは、ヨハネの母エリサベツとは従姉妹であったのです。
さて、主が最後に言われた言葉、
「しかし、神の国で一番小さい者でさえ、彼より偉大です。」とは、どのようなことなのでしょうか。現代訳では、「神の国においては、たといみすぼらしい務めも、この偉大なヨハネの務めよりも偉大です。」となっています。
これは、主イエスの十字架と復活とペンテコステが大きく関わっています。オリーブ山で昇天される直前に、主は、十一弟子たちに言われました。
「聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、私の証人となります。」と。
これこそが、今、現在の弟子でもある私たちが目指すものなのです。神の国は、霊的な意味においては、もうこの地上に存在しています。
私たち一人一人は、確かに一番小さな者かも知れませんが、主イエス・キリストにおける「福音」を、「良き知らせ」を伝えることが出来るのです。その働きこそが、バプテスマのヨハネの働きよりも偉大であると、主は言われるのです。
そして、私たちが証するべきことは、後に学べる難しい教理ではなく、主イエス様と出会ったこと、すなわち「救われた時の証」をするのです。ヨハネの弟子たちが聞いたように。》