◇◆◇日々のみ言葉
2016年1月15日(金)
◎聖書箇所 【マルコの福音書10章3節~5節】
10:3 イエスは答えて言われた。「モーセはあなたがたに、何と命じていますか。」
10:4 彼らは言った。「モーセは、離婚状を書いて妻を離別することを許しました。」
10:5 イエスは言われた。「モーセは、あなたがたの心がかたくななので、この命令をあなたがたに書いたのです。」
◎ショートメッセージ
《イエスは、ガリラヤ伝道の拠点としていたカペナウムにあるシモン・ペテロの家を後にした。そしてユダヤ地方とヨルダンの向こうに行かれた。
ヨルダン川は、深い渓谷を築いて流れていた。また当時のヨルダン川は水量も多く、流れも速かったため、ヨルダン川をへだてて東と西とに、国境いがあったことは当然の結果であった。それゆえ、どちらの方向からも「ヨルダンの向こう」と呼ばれていた。
主イエスが来られたことが、たちまち広まり、群衆がまたみもとに集まって来た。
この頃になると、主イエスは、十二使徒の弟子訓練に、働きの重きを置かれていた。 しかし教えを聞きに求めてくる人、またいやしや悪霊を追い出すことを願う人々には、主イエスは出来る限り、またいつものようにミニストリーをなされ、彼らを教えられた。
そこへ、パリサイ人たちが、またみもとにやって来た。
彼らは主イエスを試そうとして、「夫が妻を離別することは許されるかどうか」と質問した。
主イエスは、彼らに質問された。
「モーセはあなたがたに、何と命じていますか。」
すると彼らは、「モーセは、離婚状を書いて妻を離別することを許しました。」
これは、彼らが知っている律法の上では、確かに正しい答えであった。
申命記によれば、
『人が妻をめとって、夫となったとき、妻に何か恥ずべき事を発見したため、気に入らなくなった場合は、夫は離婚状を書いてその女の手に渡し、彼女を家から去らせなければならない。(申命記24:1)』となっている。
当時のユダヤ社会は、男性中心の社会であり、彼らは、「夫には、その権利があり、しかも神が定められた律法によって、そのことが正式に認められているではないか。何ゆえ、離婚を禁じるような教えをするのか。まさにあなたは律法に違反し、また神をあなどっている。」という思いがあったようである。
すると、主イエスは、この時とばかり答えられた。
「モーセは、あなたがたの心がかたくななので、この命令をあなたがたに書いたのです。」
尾山令仁先生は、この箇所をこう訳されている。
『モーセは、人間が罪に陥って以来、罪深い人間は離婚できないことを口実に、妻をさらにひどく扱いかねないことを予測して、離婚を許したのです。しかしその時にも、慎重にするように、離婚状を書くことを命じています。(マルコの福音書現代訳10:5)』
この解釈の方が、非常に分かりやすいと言える。
また、バプテスマのヨハネが国主ヘロデ・アンティパスの不正な離婚や再婚に反対して、ついに捕らえられ、殺されたことから、パリサイ人たちは、主イエス自身からも同じような告白を聞くことが出来るかも知れない、そうすれば王に直訴出来る、そして捕らえられるに違いない、と考えたとしてもあながち不思議ではない。
主イエスは、確かに私たちと同じ、まことの人であられた。しかし、と同時に、まことの神そのものであられた。すべての人の主であられる主イエスは、すでにパリサイ人たちの心の中にあるものを何もかもご存知であられた。
その彼らに悔い改めの機会を与える為にも、その試みにも応じられたのである。
主イエスは、ご自身を慕う者のためだけではなく、ご自身を憎み、ポンテオ・ピラトに、ご自身を引き渡した祭司長やユダヤの長老たち、そしてパリサイ人や律法学者たちの為にも、「十字架」に架かられたのである。まさしくすべての人の罪を背負われたのだ。
あなたの回りには、味方ばかりではなく、敵も存在しているはずである。なぜなら、私たちの本当の敵である悪魔・悪霊が吠え猛る獅子のように、主イエスを信ずる者に戦いを挑んでいるからである。
そして多くの場合、悪魔・悪霊どもは、未信者を用いて攻撃してくる。しかしその未信者の為にも主イエスは十字架に架かられたのである。本当の敵の正体を見極め、主イエスから与えられた権威を用いて、勝利しよう。主イエスは、勝利者であられる。》