◇◆◇日々のみ言葉
2016年2月5日(金)
◎聖書箇所 【マルコの福音書10章35節~37節】
10:35 さて、ゼベダイのふたりの子、ヤコブとヨハネが、イエスのところに来て言った。「先生。私たちの頼み事をかなえていただきたいと思います。」
10:36 イエスは彼らに言われた。「何をしてほしいのですか。」
10:37 彼らは言った。「あなたの栄光の座で、ひとりを先生の右に、ひとりを左にすわらせてください。」
◎ショートメッセージ
《本日の聖書箇所は、マタイの福音書によりますと、マルコとは少し記事が異なっています。
『そのとき、ゼベダイの子たちの母が、子どもたちと一緒にイエスのもとに来て、ひれ伏して、お願いがありますと言った。
イエスが彼女に、「どんな願いですか。」と言われると、彼女は言った。「私のこのふたりの息子が、あなたの御国で、ひとりはあなたの右に、ひとりは左にすわれるようにおことばを下さい。」(マタイの福音書20:20~20:21)』
マルコの福音書においては、ヤコブとヨハネ自身が、主イエス様に話しかけていますが、マタイの福音書においては、何と母がふたりの息子たちを連れて来て、そして母が主イエス様に話しかけているのです。
もしルカの福音書に、この平行記事があるとしましたら、18章にあたりますが、残念ながら、この記事については、省かれています。ヨハネは、全くふれておりません。
よって、マルコの福音書が正しいのか、はたまたマタイの福音書が正しいのか、分かりかねますが、私は、ゼベタイの子らの母が、ふたりの息子を連れて、主イエス様の御前に出たのだと思っています。
昨日の「日々のみ言葉」において、ヤコブとヨハネの母は、サロメと言う名前であり、しかも主イエス様の母マリヤとは、姉妹関係であったことを学びました。
この時、マリヤには、主イエス様の次に生まれたヤコブ、ユダ、ヨセ、シモンの息子たちと、ふたり以上の娘たちが存在したことが分かっています。
マリヤの最初の子は、もちろん主イエス様ですので、単純に計算したとしても、七回以上のお産があったことは言うまでもありません。
それに比べて、サロメには、ふたりの息子たち、すなわちヤコブとヨハネ、と書かれていますので、他には娘もまた息子もいなかった、と考えるのが妥当かと思われます。
また、主イエスの母マリヤが姉であり、サロメが妹であったことは、ヨハネが一番年が若かったことから、容易に推測がなされます。
母サロメが、主イエス様に話したにせよ、あるいはヤコブとヨハネが主イエス様に話したにせよ、とんでもないようなことをお願いしたことは、明白です。
つまり、主イエス様の次と、その次の位(くらい)を求めているのです。それは、十二使徒の中において、ナンバーワンとナンバーツーの弟子と言う意味でもあります。
もちろん、この時には、サロメもまたヤコブとヨハネも、主イエス様がエルサレムにおいて、罪人として、ローマ総督ポンテオ・ピラトによって、「十字架」の死を遂げることになるとは、誰一人思ってもみなかったのです。主イエス様が、すでに三回にも渡って、「受難予告」をしているにも関わらずにです。
おそらく、いよいよ主イエス様が、メシヤ(救い主)としての「栄光」を現わしてくださり、かつて最高の神の人であったと言われている預言者エリヤのごとく、ローマ軍を、そして悪王ヘロデ王たちも、すべて天から火を送られて、滅ぼしてくださるに違いないと、信じていたのです。
そして主イエス様は、麗しき都エルサレムに、王の王、主の主として、入場されると言うわけです。その時、主イエス様の右と左の座に、ぜひともヤコブとヨハネを座らせて下さい、と言う願いであったのです。
当然、長子はヤコブですから、ヤコブが主イエス様の右の座に、そして弟ヨハネが左の座になると思われます。
後ほど、この出来事を知った残りの使徒たちは、憤慨したと書かれています。
『このことを聞いたほかの十人は、このふたりの兄弟のことで腹を立てた。(マタイの福音書20:24)』
当然、残りの十人の使徒たちは、「しまった、抜け駆けをされた。」と思ったのです。この後、主イエス様は、ヤコブとヨハネが求めていることを、優しく教えられます。》