• 日々のみ言葉 2016年3月10日(木)

    ◇◆◇日々のみ言葉

    2016年3月11日(木)

    ◎聖書箇所 【マルコの福音書12章15節~17節】

    12:15 イエスは彼らの擬装を見抜いて言われた。「なぜ、わたしをためすのか。デナリ銀貨を持って来て見せなさい。」
    12:16 彼らは持って来た。そこでイエスは彼らに言われた。「これはだれの肖像ですか。だれの銘ですか。」彼らは、「カイザルのです。」と言った。
    12:17 するとイエスは言われた。「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」彼らはイエスに驚嘆した。

    ◎ショートメッセージ

    《さて祭司長、律法学者と長老たちは、主イエス様に何か言わせて、わなに陥れようとして、パリサイ人とヘロデ党の者数人をイエス様のところへ送り出して来ました。
     彼らはイエス様のところに来て、こう言ったのです。

    「先生。私たちは、あなたが真実な方で、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは人の顔色を見ず、真理に基づいて神の道を教えておられるからです。ところで、カイザルに税金を納めることは律法にかなっていることでしょうか、かなっていないことでしょうか。納めるべきでしょうか、納めるべきでないのでしょうか。」

     さて、今日の学びは、昨日の続きです。主イエス様の答えられた内容に対して、目を向けて見ましょう。

     この時の主イエス様の口調は、どのようであったことでしょう。日本語訳の聖書からは、はっきりと計り知ることができませんが、これまでに何度も何度も、パリサイ人や律法学者たちは、イエス様を試そうとして来ました。その度に、主イエス様は誠実に応対し、答えられたのです。

     もし私たち人間が、このような悪意に満ちた、いやがらせを受けたとしたら、間違いなく怒り、また口調も激しくなって、怒鳴りつけたに違いありません。なぜなら人間であるからです。

     しかし、主イエス様は、このような時であっても、穏やかな顔をされたに違いないのです。なぜなら彼らでさえも、創造主であられる主イエス様が、造られた非創造物であり、主イエス様に取っては、愛する者たちなのですから。

    「デナリ銀貨を持って来て見せなさい。」

     1デナリとは、ローマ帝国の銀貨で、パレスチナでも多く使用されていました。ユダヤ人がローマの取税人へ納税する時には、このデナリ銀貨が用いられたのです。これにはカイザルの肖像が刻まれていました。1デナリはギリシヤのドラクマ銀貨と同額で、当時最もよく使われた通貨であったようです。1デナリは労務者1人の1日の労賃に相当するもので、もし日本円に換算するとしたら、一万円くらいでしょうか。最も今は、それほど一日に出してくれるアルバイトは、なかなか見つからないと思いますが。

     さて、本題に戻ります。

     主イエス様は、彼らの持って来た1デナリを見て、こう言われたのです。
    「これはだれの肖像ですか。だれの銘ですか。」

     彼らは、「カイザルのです。」と言った。

     するとイエス様は言われたのです。
    「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」

     さて、まず当時の状況から考えて行きたいと思います。パリサイ人とヘロデ党の者たちは、主イエス様に税金問題を持って来ました。
     この背景には、ローマ帝国が紀元6年頃から成人した男子と女子に人頭税として課した税金があったのです。
     税額自体はそれほど重いものではありませんでしたが、納める場合には、ローマの通貨と決められており、その通貨にはローマ皇帝の肖像が刻まれており、皇帝に服従することを表わすものとして、ユダヤ人は忌み嫌っていたのです。

     パリサイ人たちは、税金を納めたくないという立場でしたが、ヘロデ党の者たちは、税金を積極的に納めるという立場だったのです。

    「カイザルのものはカイザルに返しなさい。」

     これは、税金を納めることを、主イエス様は肯定しておられます。しかし「納めなさい」とは言っておられないのです。そうです。「返しなさい」と言われたのです。

     そして次に、

    「神のものは神に返しなさい。」と言われました。
    これも、「納めなさい」とは言っておられないのです。「返しなさい」と言われたのです。

     マラキ書にはこう書かれています。

    『人は神のものを盗むことができようか。ところが、あなたがたはわたしのものを盗んでいる。しかも、あなたがたは言う。『どのようにして、私たちはあなたのものを盗んだでしょうか。』それは、十分の一と奉納物によってである。
     あなたがたはのろいを受けている。あなたがたは、わたしのものを盗んでいる。この民全体が盗んでいる。
     十分の一をことごとく、宝物倉に携えて来て、わたしの家の食物とせよ。こうしてわたしをためしてみよ。万軍の主は仰せられる。わたしがあなたがたのために、天の窓を開き、あふれるばかりの祝福をあなたがたに注ぐかどうかをためしてみよ。(マラキ書3:8~3:10)』

    「カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」

     このお答えは、私たちクリスチャンは、確かにこの世の者ではありませんが、その所属している国において税金を納めること、いや主イエス様が言われるには返すことを、教えておられるのです。
     そして、私たちに主の恵みとして与えられた物の十分の一は、神様に返すこと、すなわち十分の一献金を、教えておられるのです。

     それゆえ、パリサイ人たちとヘロデ党の者たちは、主イエス様のお答えに驚嘆したのです。》

Comments are closed.