◇◆◇日々のみ言葉
2016年6月21日(火)
◎聖書箇所 【マルコの福音書14章66節~68節】
14:66 ペテロが下の庭にいると、大祭司の女中のひとりが来て、
14:67 ペテロが火にあたっているのを見かけ、彼をじっと見つめて、言った。「あなたも、あのナザレ人、あのイエスと一緒にいましたね。」
14:68 しかし、ペテロはそれを打ち消して、「何を言っているのか、わからない。見当もつかない。」と言って、出口のほうへと出て行った。
◎ショートメッセージ
《真夜中に行なわれた大祭司の邸宅における主イエス様の裁判に、主が愛された弟子である使徒ヨハネとシモン・ペテロの二人の弟子だけが、ついて行きました。このことも、神様の摂理の何ものでもないと思えるのです。
ゲッセマネの園において、イエス様が捕らえられた時、弟子たちの全員がイエス様を見捨てて逃げ出してしまいました。これはまさしく預言の成就です。しかし一度逃げ出したにもかかわらず、戻って来た弟子が用意されていたことも、神様の計画であったに違いありません。
前大祭司アンナスと、現大祭司カヤパによる宗教的裁判が終わり、イエス様が兵士たちによって引き回されて行く時に、イエス様が、彼らによって、つばきをかけられ、また御顔をおおわれ、こぶしでなぐりつけられ、「言い当てて見ろ。」などと言われ、役人たちによって平手で打たれた場面を、ヨハネもペテロも見ていたのです。
中庭に起こされた火に暖まっていたペテロは、イエス様が殴られ、平手で打たれた音やあざけりの声を聞いていたと思われます。
その時です。そこにいた大祭司のひとりの女中が、火にあたっているペテロを見かけ、彼をじっと見つめて、言うのです。
「あなたも、あのナザレ人、あのイエスと一緒にいましたね。」
私は、この時ペテロは、非常に恐怖に包まれたに、違いないと思うのです。もしかしたら毛が逆立ったかも知れません。顔中の血が一瞬にして引いて行き、心臓の鼓動は高鳴り、息づかいは激しさを増し、その場から逃げだそうとしても、足が地面に突き刺さってしまったように、身動きが出来なくなってしまったのです。
「あなたも、あのナザレ人、あのイエスと一緒にいましたね。」
イエス様は、ペテロの見える所で、兵士に殴られ、平手で打たれ、おそらくふらふらとなっておられてに違いないのです。この瞬間、ペテロに恐れが入り込んで来たのです。 イエス様が数時間前にペテロに言われた預言のことなど、頭から吹っ飛んでしまいました。
そして、ペテロは、首を横に振りながら、
「何を言っているのか、わからない。見当もつかない。」と言って出口の方に行こうとしたのです。逃げ出そうとしたわけです。
これが、人間の本当の姿なのです。三年半もイエス様と共に過ごし、多くの奇蹟やしるしを体験し、たくさんの人々からの賞賛をも受けて来たに違いない、使徒のリーダー、ペテロ。その彼の本当の姿なのです。
そして、それは私たちひとりひとりの姿でもあります。自分の本当の姿、そして弱さを知った者こそが、やがて聖霊様によって、強い者に変えられることになるのです。ペテロの否認は、まだ続きます。》