◇◆◇日々のみ言葉
2016年8月18日(木)
◎聖書箇所 【ルカの福音書1章7節】
1:7 エリサベツは不妊の女だったので、彼らには子がなく、二人とももう年をとっていた。
◎ショートメッセージ
《今週から、ルカの福音書の学びに入りました。
ルカは、ギリシャ人でしたから、ユダヤ人の目からではなく、異邦人として、異邦人の為に「福音書」を書き記したのです。
使徒パウロは、生まれつきのローマ市民でしたが、やはりユダヤ人でした。しかもこれ以上はないという、宗教的には最高教育を聖都エルサレムで受け、当時のユダヤ社会において、最高の指導者の一人であったガマリエルの門下生でもありました。
この生粋のユダヤ人を、主イエス様は特別に選ばれ、異邦人の使徒とされました。
その異邦人の使徒であるパウロに、アンテオケで出会い、彼によって救いに導かれ、自分と同じような異邦人を、「永遠のいのち」への救いと真理に導く為に、ルカはペンを取ったのです。
伝承では、ルカはパウロが、悪名高きローマ皇帝ネロの手によって殉教するまで、一緒にいたと言われています。異邦人の使徒パウロと行動を共にしたルカだからこそ、客観的観点から見た福音書と使徒の働きを、書き上げることが出来たのです。
『ユダヤの王ヘロデの時に、アビヤの組の者でザカリヤという祭司がいた。彼の妻はアロンの子孫で、名をエリサベツといった。ふたりとも、神の御前に正しく、主のすべての戒めと定めを落度なく踏み行なっていた。』
その後に続く箇所が、本日の聖書箇所となります。
『エリサベツは不妊の女だったので、彼らには子がなく、二人とももう年をとっていた。』
たった一行なのですが、ここから三つの真実を知ることが出来ます。しかも大変な問題も見えて来るのです。
一つ目は、
エリサベツは、今まで一度も妊娠したことがなかった、と言うことです。当時のユダヤ社会では、「不妊の女」は、呪われた者と言われていました。子供が出来ないことは、その妻か、あるいは夫の家系に罪があって、神様の呪いの結果だと思われていたのです。
今で言うならば、「因果応報」と言うことです。
二つ目は、彼らには子がないと言うことは、つまり養子もいないと言うことであり、またザカリヤには、他の女性に産ませた子もいないと言うことです。
当然です。なぜなら彼らは、二人とも神様の御前には正しく、主のすべての戒めと定めを落度なく踏み行なっていたからです。
これは、そうせざるを得ないことでもあったのです。子が与えられない理由が、彼ら二人の悪しき行ないと罪の結果であると、回りの人々に思わせない為にも、ゼカリヤとエリサベツは正しい道を歩んでいたのです。
祭司職は世襲制でありました。しかもゼカリヤの血を引く者でなければならなかったのです。
三つ目は、二人とももう年を取っていたと言うことです。これはまさしくほぼ絶望的な状況です。常識的に見たとしても、もはや子を授かることの可能性がほとんどない
と言った所でしょう。
代々続いて来た、この栄誉ある祭司職をゼカリヤの代にて、途絶えさせてしまう危険性が大いにあったと言うことなのです。
しかし、神様は彼らを見捨ててはいなかったのです。また彼らの祈りはすでに届けられて、また聞かれていたのです。
神様がその大いなる御業を行なわれる時が、まさしく来ようとしていたのです。》