◇◆◇日々のみ言葉
2018年5月26日(土)
◎聖書箇所【ルカの福音書22章47節~48節】
22:47 イエスがまだ話をしておられるとき、群衆がやって来た。十二弟子のひとりで、ユダという者が、先頭に立っていた。ユダはイエスに口づけしようとして、みもとに近づいた。
22:48 だが、イエスは彼に、「ユダ。口づけで、人の子を裏切ろうとするのか。」と言われた。
◎ショートメッセージ
《この場面に心痛めるのは私だけでしょうか。
ルカは「群衆」としか書いていませんが、ヨハネによりますと、
『そこで、ユダは一隊の兵士と、祭司長、パリサイ人たちから送られた役人たちを引き連れて、ともしびとたいまつと武器を持って、そこに来た。(ヨハネの福音書18:3)』となっています。
「一隊の兵士」とは、ローマ兵のことで、六百人の兵士で構成されています。ローマ総督を警備している兵士は、通常は百人で、百人隊長が統率しています。
よって六百人の部隊と言うことは、まさに反ローマ帝国勢力を鎮圧すべく、集められた軍隊とも言えます。
最も、一番反乱が起きやすいのが、ユダヤ最大の祭りである「過越の祭」の時でした。なぜなら、全世界から多くのユダヤ人が集まって来るからです。
言い伝えによりますと、この時四十万人のユダヤ人が、エルサレム巡礼に集結したとも言われています。
そのため、ローマ総督ピラトは、ユダヤ地方の各駐屯地に配備されているローマ軍に、警備の応援を依頼していたのです。よってこの「一隊」と言う数は、決して誇張ではないとも言えます。
しかし、戦闘のプロであるローマ兵一隊が、配置されたとしても、四十万人近くのユダヤ人が、その気になれば、聖都エルサレムからローマ軍を追い出すことは、多少の犠牲は免れないとしても、意図も容易いことではないでしょうか。
そしてその通りに、この時から三十数年後に、熱心党がそれを実行することになります。聖都エルサレム奪回に成功するのです。
さて、眠っていた十一使徒は、この時初めて、誰が裏切り者であったのかを、明確に知ることになります。ペテロを始め、彼らはどのような気持ちを抱いたのでしょうか。
しかもイスカリオテのユダは、その群衆の先頭を歩いて来たのです。そしてその後に、役人たちと、一隊のローマ兵が追従しています。ローマ兵の先頭には、数人の百人隊長がいたと思われます。
私は、その中に、イエス様に愛するしもべ(青年)をいやしていただいた百人隊長も、いたに違いないと信じるのです。
「先生。お元気で」
「友よ。何のために来たのですか。ユダ。口づけで、人の子を裏切ろうとするのか。」
イエス様は、最後まで、イスカリオテのユダを思い、また愛していました。そして最後まで、悔い改めの機会を与えられたのです。
イスカリオテのユダが滅びたのは、運命あるいは宿命ではありません。イエス様の差し伸べて愛の手を、自らの意思で、振り払ったからこそ、滅んで行ったのです。
多くの人々が、主イエス様の差し伸べた手を、掴もうとはしません。たとえどんなにあなたの手が弱っていたとしても、もしあなたがイエス様の手を掴もうとするならば、必ず、イエス様の方から強く握り返され、そして引き上げて下さいます。
この方が「救い主」です。この方こそが、まことの神様です。》