◇◆◇日々のみ言葉
2018年6月10日(日)
◎聖書箇所【ルカの福音書23章5節~7節】
23:5 しかし彼らはあくまで言い張って、「この人は、ガリラヤからここまで、ユダヤ全土で教えながら、この民を扇動しているのです。」と言った。
23:6 それを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ねて、
23:7 ヘロデの支配下にあるとわかると、イエスをヘロデのところに送った。ヘロデもそのころエルサレムにいたからである。
◎ショートメッセージ
《その当時の大祭司カヤパ率いるサンヘドリンは、ローマ総督ポンテオ・ピラトがエルサレムに在住しているアントニア要塞にイエス様を引き連れて行きました。
すでに夜明けになり始めていた頃です。イエス様も、そしてサンヘドリンの議員たちも寝てはいません。
そして休んでいたピラトを起こすと、イエス様について訴え始めたのです。
大祭司カヤパは言いました。
「この人はわが国民を惑わし、カイザルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることがわかりました。」
するとピラトはイエス様に尋ねました。
「あなたは、ユダヤ人の王ですか。」
「そのとおりです。」
「この人には何の罪も見つからない。」
ピラトは、イエス様が誇大妄想をした狂人と考えたようです。また当時のユダヤの王は、ヘロデ・アンティパスであったことは、誰もが知っている事実でした。
何とこの時、ヘロデ・アンティパスも、「過越の祭」を祝う為にエルサレムにやって来ていたのです。そのことをピラトは知っていました。
この時には、ピラトとヘロデ・アンティパスはあまり仲が良くなかったことが伝えられています。
ヘロデ・アンティパスがエルサレムに来たのなら、ローマ総督の元に直接、あいさつすることは当たり前のことです。それだからこそピラトは、そのことを知っていたのです。
ところで、ピラトがイエス様をヘロデ・アンティパスの所に送ったことは、ルカだけが書き記しています。マルコとマタイの福音書には書かれてはいません。またヨハネも割愛しています。
ヨハネは、三つの共観福音書を知っていましたから、重複した部分を省いたことはうなずけるのですが、マルコとマタイは、なぜ書き記さなかったのでしょうか。
考えられることは、マルコがペテロの説教の通訳をしていた時には、ヘロデ・アンティパスはまだ健在であったからではないでしょうか。
そしてマタイはマルコの福音書を基にして書き記しましたから、その記事が掲載されなかったとも考えられます。
しかしルカは、異邦人の目から見たイエス伝を書き記したのです。彼はギリシャ人ですから、別にユダヤの王政に敬意を表わす必要はないことから、その記事を掲載したとも考えられるのです。》