◇◆◇日々のみ言葉
2019年2月28日(木)
◎聖書箇所【使徒の働き8章24節】
8:24 シモンは答えて言った。「あなたがたの言われた事が何も私に起こらないように、私の為に主に祈って下さい。」
◎ショートメッセージ
《ピリポが伝道にやって来たサマリヤの町に、魔術師のシモンがいました。彼は以前からこの町で魔術を行なっており、サマリヤの人々を驚かし、自分は偉大な者だと話していたのです。
子供から大人に至るまで、あらゆる人々が彼に関心を抱き、「この人こそ、大能と呼ばれる、神の力だ。」と言われていました。
なぜならシモンの魔術に、長い間人々が驚かされていたからです。ここで言う魔術とは、悪魔による「いやし」と「解放」のことです。
しかし、ピリポが神の国とイエス・キリストの御名について宣べるのを信じたサマリヤの人々は、男も女もバプテスマを受けました。
そして何と、シモン自身も、主イエス・キリストを信じて、ピリポからバプテスマを受けたのです。
それから、いつもピリポについて回り、聖霊がピリポを通して行なわれる、しるしとすばらしい奇蹟を見て、驚いていました。
そこへ、エルサレムから、使徒ペテロとヨハネがやって来ました。
彼らが、サマリヤの人々に手を置くと、聖霊のバプテスマが与えられるのを見たシモンは、使徒たちのところに金を持って来たのです。
「私が手を置いた者がだれでも聖霊を受けられるように、この権威を私にも下さい。」
それを聞いたペテロは彼に向かって言いました。
「あなたの金は、あなたと共に滅びるがよい。あなたは金で神の賜物を手に入れようと思っているからです。あなたは、このことについては何の関係もないし、それにあずかることもできません。あなたの心が神の前に正しくないからです。」
「だから、この悪事を悔い改めて、主に祈りなさい。あるいは、心に抱いた思いが赦されるかもしれません。あなたはまだ苦い胆汁と不義のきずなの中にいることが、私にはよくわかっています。」
ペテロは、魔術師シモンに悔い改めと、祈ることを勧めています。またシモン自身が、完全に悪霊の支配から解放されていないことを指摘しています。
救われている者の中に、聖霊様と悪霊が同居するようなことがあるのでしょうか。いいえ、それは不可能なことです。
聖霊様が入って来られたのなら、悪霊は出て行かなければならないからです。
しかし、その持ち物や、思いにおいて、救われていない以前の慣習や霊的な影響が残っていることがあるのです。
まず「お金」です。
それは正しく働いて得たお金ではなく、悪霊によって行なった魔術によって稼いだお金であって、悪霊の影響と言うよりも悪霊自身のものでもあるのです。
また「思い」です。
それゆえペテロは、「あるいは、心に抱いた思いが赦されるかもしれません。」と言うのです。
それを聞いたシモンは、このように使徒たちに願い出ます。
「あなたがたの言われた事が何も私に起こらないように、私の為に主に祈って下さい。」
この言葉は、どちらの意味にも解釈出来ます。一つの意味は、彼自身の狡猾な思いから出た言葉であって、ただ災いを回避するべきものとしての願いです。
そしてもう一つは、シモン自身の真の悔い改めの為に、祈りのバックアップを願い出たものです。
私は、後者を取りたいのです。なぜなら、シモンは「主に祈って下さい。」と願っているからです。
これは私の推測にしか過ぎませんが、この時のシモンはまだ「聖霊のバプテスマ」を受けてはいなかったのではないでしょうか。
聖書は、この後の魔術師シモンの動向について明らかにしてはいませんが、彼の名前が残っていることからしますと、やがて本物の信徒となって、伝道に励んだのではないでしょうか。
魔術師シモンは、やがて、クリスチャンのシモンと呼ばれるようになったのではないでしょうか。》