◇◆◇日々のみ言葉
2019年10月11日(金)
◎聖書箇所【使徒の働き16章28節~29節】
16:28 そこでパウロは大声で、「自害してはいけない。私たちはみなここにいる。」と叫んだ。
16:29 看守はあかりを取り、駆け込んで来て、パウロとシラスとの前に震えながらひれ伏した。
◎ショートメッセージ
《パウロとシラスが牢に入れられたその日の真夜中のことです。突然、大地震が起こって、獄舎の土台が揺れ動き、たちまち扉が全部あいて、鎖がみな解けてしまったのです。
執務室において仮眠していた看守は、目を覚まし、明かりを取って牢の中を見ますと、牢のとびらが全部あいています。
そして、囚人たちは皆逃げてしまったものと思い、途方に暮れて、剣を抜いて自害しようとしたのです。
「自害してはいけない。私たちはみなここにいる。」
それを見ていた一番奥の牢の中にいたパウロは大声で叫びました。
さて、ここで大切な真理が見落とされています。それは、なぜ囚人たちは逃げなかったかと言うことです。
もちろんパウロもシラスも逃げるはずはありません。今問題としていますのは、他の囚人たちのことなのです。
私個人の推測にしか過ぎませんが、地震が起こる前まで、パウロとシラスの賛美と祈りに、囚人たちは聞き入っていたとあります。
その賛美を通して、聖霊様が働き、囚人たちの心を清め、また悔い改めに導いたのではないでしょうか。
普通、このような境遇に置かれた場合、多くの者は、不平と不満と怒りをぶちまけるのが常です。しかしパウロとシラスは、むち打たれたことを感謝し、そして「ピリピ人への手紙」のテーマでもあるように、喜んでいたのです。
そればかりではありません。自分たちをこんな目に遭わせた長官たち、ローマ人たち、そして女奴隷の主人たちの為に、心から祈っていたのではないでしょうか。主イエス様が、ご自身を十字架に着けた「4人のローマ兵」の為に、祈られたようにです。
「父よ。彼らをお赦し下さい。彼らは自分が何をしているのか分からないのです。」
地震が起きて、扉が全部開き、鎖が解けてしまった時に、きっと逃げだそうとした者もいたかも知れないのです。
その脱走を止めたのは、パウロとシラスであったのです。実際にはパウロとシラスを通して働かれた神様ご自身でもあるのです。聖霊の働きです。
「逃げてはいけない。留まって刑期を終えなさい。」と、勧めたのではないでしょうか。
「自害してはいけない。私たちはみなここにいる。」
権威ある声が、牢全体に響き渡りました。その声にハッと我に帰り、看守は剣を治め、明かりを取り、駆け込んで来たのです。すれとそこには、囚人たち全員がいました。しかもパウロとシラスを真ん中に囲んで。
看守は、パウロとシラスの前に震えながらひれ伏したのです。》