◇◆◇日々のみ言葉
2020年3月5日(木)
◎聖書箇所【使徒の働き21章37節~38節】
21:37 兵営の中に連れ込まれようとしたとき、パウロが千人隊長に、「一言お話ししてもよいでしょうか。」と尋ねると、千人隊長は、「あなたはギリシヤ語を知っているのか。
21:38 するとあなたは、以前暴動を起こして、四千人の刺客を荒野に引き連れて逃げた、あのエジプト人ではないのか。」と言った。
◎ショートメッセージ
《神殿からの通報を受け、ローマ軍の千人隊長は部下を引き連れ、パウロを捕え、二つの鎖につなぐように命じたのです。そして、ユダヤ人たちに、「この者は何者なのか、何をしたのか」と尋ねました。
しかし、興奮した群衆からは、確かなことは分かりませんでした。そこで千人隊長は、パウロを兵営に連れて行くよう命じました。
その当時、ローマ軍は「アントニヤ要塞」に兵営本部を設けていたのです。鎖につながれたパウロが、兵営の中に連れ込まれようとしたその時、自分の前を歩く千人隊長に、パウロはギリシャ語で話しかけたのです。
「一言お話ししてもよいでしょうか。」
当時のローマの公用語はギリシャ語とラテン語でした。この千人隊長はヘブル語を話すことが出来ました。その彼が、祖国の言葉を聞いて本当に驚いたのです。
「あなたはギリシヤ語を知っているのか。」
そして続いて、かつてエルサレムに起こった暴動事件のことを持ち出したのです。ユダヤ歴史家ヨセフォスによりますと、紀元54年に、あるエジプト人が預言者であると自称してエルサレムに現われ、反乱を起こそうとしました。
しかし失敗し逃走したのです。そのことが起こったのが、数年前であったので、千人隊長はパウロが、そのエジプト人ではないかと考えたわけです。
彼が言っています「刺客」とは、そのエジプト人が連れて来た者たちが、巡礼者の装いをして、実は衣の下に剣を忍ばせていたからです。
ここには書かれていませんが、その数が四千人もいたと言うことから、多くのローマ兵が犠牲になった可能性が高いと思われます。
もしかしましたら、そのことが切っ掛けとなって、普段はローマ総督を守る百人隊長と一部隊しか駐屯していなかったのですが、これ以後は常時、一大隊が駐屯することになったのかも知れません。
兎にも角にも、ユダヤ人による暴動と反乱は日常茶飯事のようになっていたのです。やがて、決定的に、十数年後にユダヤ戦争が勃発します。そして主イエス様の預言どおり、紀元70年にエルサレムは壊滅することになります。
ルカの福音書によれば、
『エルサレムに近くなった頃、都を見られたイエスは、その都の為に泣いて、言われた。
「おまえも、もし、この日のうちに、平和のことを知っていたのなら。しかし今は、そのことがおまえの目から隠されている。やがておまえの敵が、おまえに対して塁を築き、回りを取り巻き、四方から攻め寄せ、そしておまえとその中の子どもたちを地にたたきつけ、おまえの中で、一つの石も他の石の上に積まれたままでは残されない日が、やって来る。それはおまえが、神の訪れの時を知らなかったからだ。」(ルカの福音書19:41~19:44)』と。》