◇◆◇日々のみ言葉
2020年3月23日(月)
◎聖書箇所【使徒の働き23章4節~5節】
23:4 するとそばに立っている者たちが、「あなたは神の大祭司をののしるのか。」と言ったので、
23:5 パウロが言った。
「兄弟たち。私は彼が大祭司だとは知らなかった。確かに、『あなたの民の指導者を悪く言ってはいけない。』と書いてあります。」
◎ショートメッセージ
《パウロの言動を聞いていた大祭司アナニヤは、パウロのそばに立っている者たちに、彼の口を打てと命じたのです。
パウロは、主イエス様と同じように、平手で打たれました。
「ああ、白く塗った壁。神があなたを打たれる。あなたは、律法に従って私をさばく座に着きながら、律法にそむいて、私を打てと命じるのですか。」
するとそばに立っていた役人が言います。
「あなたは神の大祭司をののしるのか。」
するとパウロは、
「兄弟たち。私は彼が大祭司だとは知らなかった。」と答えるのです。
パウロは、本当にアナニヤが大祭司であることを知らなかったのでしょうか。いいえ。大祭司は、大祭司の座るべき議長の座に座しています。
たとえ面識がなくても、大祭司の座に座っている者が大祭司であることは、一目瞭然です。しかもアナニヤは、紀元47年から58年にその職にありました。大祭司になったばかりの新米ではありません。
この時、パウロがエルサレムにおいて捕らえられたのは、紀元57年から58年にかけてです。アナニヤの在位9年間の最後のほうになります。よって、この言葉は文句なく「皮肉」です。
パウロは、アナニヤがどのようにして大祭司の職を得たのか、またその地位を利用して不正をしていることを知っていました。
なんとアナニヤは、ユダヤ人たちが治める十分の一献金を、本来ならば祭司たちに分け与えなければならないにもかかわらず、それを全部自分のものとしていたのです。
「お前はそれでも大祭司か。神を冒涜する者よ。」と言うことが、パウロが伝えようとした真意です。
また、「確かに、『あなたの民の指導者を悪く言ってはいけない。』と書いてあります。」とは、モーセ五書からの引用です。
出エジプト記には、
『神をのろってはならない。また、民の上に立つ者をのろってはならない。(出エジプト記22:28)』と書かれています。
パウロはここで、大祭司アナニヤに、聖霊に満たされて悔い改めを迫ったのです。
しかし、アナニヤは悔い改めようとはしませんでした。よって、紀元66年に、アナニヤは、熱心党員から「ローマ側の人間」と見なされ、殺されてしまいます。》