◇◆◇日々のみ言葉
2020年6月9日(火)
◎聖書箇所【使徒の働き28章1節~2節】
28:1 こうして救われてから、私たちは、ここがマルタと呼ばれる島であることを知った。
28:2 島の人々は私たちに非常に親切にしてくれた。おりから雨が降りだして寒かったので、彼らは火をたいて私たちみなをもてなしてくれた。
◎ショートメッセージ
《今日から「使徒の働き」の学びも、いよいよ最終章となる 28章に入ります。
「こうして救われて」とは、パウロ自身、船に乗っていた276名の命が守られたことは、単なる偶然ではなく、主イエスによる特別な計画の中に行なわれたことを証しています。
それにしても、クレテ島からマルタ島まで、かなりの距離を流されたわけですが、その遭難さえも、すべては主イエスのご計画の一部であったと思われるのです。
ところで、パウロが預言者アポロや、教会の兄弟姉妹の唇を通して語られた聖霊の言葉に聞き従ってさえすれば、このような回り道をせずに、もっと短時間で、目的地ローマに到達していたに違いありません。
しかし、過去の過ちや決断を悔い改めたとしても、失われた時間は戻っては来ません。私たちは、それらを教訓として、前に進み出なければならないのです。
さて「マルタ」とは、「蜜」という意味です。シシリー島の南方にある地中海の小島のことで、「メリタ」とも呼ばれています。
この島は古くからフェニキヤ人やギリシヤ人によって開拓されました。カルタゴ人の支配下にあった時代を経て、紀元前218年にローマのシシリー州に合併され、パウロが流れ着いた時には、ローマ帝国となってから278年目になります。
パウロはその住民をバルバロイと呼びました。これは、「外国語を話す人々」あるいは「蛮人」という意味で、彼らがギリシヤ人には通じない土着語を常用語とし、独自の文化を持っていた為です。おそらくカルタゴ語の方言の一種ではないかと考えられています。
現在、マルタ島の首都ヴァレッタの北西に、パウロが漂着したと伝えられる「パウロの湾」という砂浜が存在しています。
また、小型犬のマルチーズの発祥の地であり、マルチーズの名はマルタに由来します。
島の人々は、パウロ一行の乗った船が、近づいて来て座礁し、破壊されて行くのを見ていたようです。乗っていた276名が岸に、ほうぼうとして泳ぎ着いた時に、手を貸し起こしてくれたと思われます。
そして、雨が降り出し、また濡れねずみで震えていたパウロ一行の為に、火を起こしてくれたのです。大人数ですから、数カ所ではなく、少なくとも十箇所以上、たき火をともしてくれたに違いありません。
この時、本当に彼らは、生きた心地がしたのではないでしょうか。パウロは、今こそとばかり、百人隊長ユリアスや、船を失い気を落としている船長および航海士たちに向かって、福音を語ったのではないでしょうか。》