◇◆◇日々のみ言葉
2020年7月26日(日)
◎聖書箇所【マタイの福音書2章22節~23節】
2:22 しかし、アケラオが父ヘロデに代わってユダヤを治めていると聞いたので、そこに行ってとどまることを恐れた。そして、夢で戒めを受けたので、ガリラヤ地方に立ちのいた。
2:23 そして、ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちを通して「この方はナザレ人と呼ばれる。」と言われた事が成就するためであった。
◎ショートメッセージ
《昨日と同じ箇所からとなります。
ローマ皇帝アウグストは、ヘロデの死後、その王国を三分割し、ヘロデの息子たちに統治させました。
アケラオをユダヤとサマリヤの国主に、アンテパスをガリラヤとペレヤの国主に、そしてピリポをパレスチナ北東部の国主としたのです。
アケラオは、ヘロデとサマリヤ出身の王妃マルタケの子で、その実の弟はアンテパスです。このアンテパスこそ、主イエスとエルサレムにおいて、十字架刑の数時間前に会うことが許された王です。神様はこのアンテパスにも悔い改めの機会を与えられました。 この兄弟は、異母兄弟ヘロデ・ピリポたちと共にローマで教育を受けました。アケラオは、父ヘロデ大王の死後、紀元前4年から紀元6年にかけて、約10年間ユダヤを治めました。しかし、その残忍さのゆえに、その支配下にあったユダヤ人とサマリヤ人はローマ皇帝アウグストに直訴し、その結果アケラオは退位させられ、ゴール地方に流されます。
その後に、ユダヤはローマの直轄地となったのです。それゆえローマ総督が赴任するのです。ここにも神様の不思議な摂理が働いています。主イエス様の公生涯の時には、ポンテオ・ピラトがその地位に赴任していることになります。
ヨセフとマリヤは、幼児イエスと共にエジプトから帰還した際に、エルサレムとエンカレムに立ち寄ります。
その時に、「アケラオが父ヘロデに代わってユダヤを治めている」ことを耳にするのです。そして「ベツレヘムにとどまることを恐れ」るのです。つまり、ヨセフとマリヤは、アケラオがいかに残忍な支配者であるかを、すでに知っていたのです。
それゆえ彼らは、故郷であるガリラヤのナザレに戻ることになります。
マタイは、さらに、
「そして、ナザレという町に行って住んだ。これは預言者たちを通して「この方はナザレ人と呼ばれる。」と言われた事が成就するためであった」と書き記しています。
実は、この預言は聖書には書かれてはおりません。当時のイスラエルでは、ガリラヤ地方とそこに住む人々は、ひじょうに軽蔑されていました。その理由の一つには、決して美しいとは言えないガリラヤ訛りの響きに有りました。
また昔からの言い伝えから、ガリラヤからはメシヤは決して出ることはないとされていましたので、ここでマタイが書き記した真意は、「ナザレ人」と軽蔑されることを表わしているのです。
よって、「ナザレのイエス」と言う呼び名は、中傷の何ものでも有りません。》