◇◆◇日々のみ言葉
2021年7月11日(日)
◎聖書箇所【マタイの福音書16章13節~14節】
16:13 さて、ピリポ・カイザリヤの地方に行かれたとき、イエスは弟子たちに尋ねて言われた。「人々は人の子をだれだと言っていますか。」
16:14 彼らは言った。「バプテスマのヨハネだと言う人もあり、エリヤだと言う人もあります。また他の人たちはエレミヤだとか、また預言者のひとりだとも言っています。」
◎ショートメッセージ
《ピリポ・カイザリヤとは、「ピリポのカイザリヤ」という意味です。
ヨルダン川の4水源の一つナハル・バニアスが発するヘルモン山南麓の高台に位置する町を指します。有名な水源の「泉の洞穴」には、ヘレニズム時代からパネイオン(パン神の聖所)があり、町はパニアス(アラビヤ語でバニアス)と呼ばれていました。
紀元前20年、ヘロデ大王は皇帝アウグストゥスからこの町を与えられ、その記念に皇帝の像を安置した大理石の神殿を建てました。
ヘロデ大王の死後、その領土を譲り受けたヘロデ・ピリポが町を拡張美化し、皇帝ティベリウスに敬意を表して、名をカイザリヤと改めたのです。
かつて、父ヘロデ大王が建設した新しい港町、地中海沿岸にあるカイザリヤと区別するために、自分の名前を加えてピリポ・カイザリヤと呼ぶようにしたのです。
このような、偶像礼拝や皇帝崇拝が長い間行われていた場所において、主イエスは弟子たちに「あなたがたは,私をだれだと言いますか」と尋ねられたのです。
十二弟子たちは答えます。
「バプテスマのヨハネだと言う人もあります。」
これは不可解なことです。すでにヨハネは召されています。
実は、ガリラヤの国主ヘロデ・アンティパスは、「ヨハネの生まれ変わりだ」と言うようなことを言っていたのです。それが広まっていたようにも思われます。
「エリヤだと言う人もあります。」
これは、メシアが来る前に、預言者エリヤが遣わされることが書かれているからです。
マラキ書によりますと、
『見よ。私は、主の大いなる恐ろしい日が来る前に預言者エリヤをあなたがたに遣わす。
彼は、父の心を子に向けさせ、子の心をその父に向けさせる。それは、私が来て、のろいでこの地を打ち滅ぼさないためだ。」(マラキ書4:5~4:6 )』と。
そして、「エレミヤだとかと言っています」とは、当時のユダヤでは、主イエスの教えとエレミヤの教えには、類似性のあることが注目されていたからです。明日も同じ箇所からとなります。》