◎本日の聖書箇所【使徒の働き10章17節~23節】
10:17 ペテロが、今見た幻はいったいどういうことだろうか、と一人で思い惑っていると、なんと、コルネリウスから遣わされた人たちがシモンの家を捜し当てて、その門口に立ち、
10:18 声をかけて、「ペテロと呼ばれているシモンはここに泊まっていますか」と尋ねていた。
10:19 ペテロは幻について思い巡らしていたが、御霊が彼に言われた。「見なさい。三人の人があなたを訪ねて来ています。
10:20 さあ、下に降りて行き、ためらわずに彼らと一緒に行きなさい。私が彼らを遣わしたのです。」
10:21 そこでペテロは、その人たちのところに降りて行って、言った。「あなたがたが探しているのは、この私です。どんなご用でおいでになったのですか。」
10:22 すると、彼らは言った。「正しい人で、神を恐れ、ユダヤの民全体に評判が良い百人隊長コルネリウスが、あなたを自分の家に招いて、あなたから話を聞くようにと、聖なる御使いから示されました。」
10:23 それでペテロは、彼らを迎え入れて泊まらせた。翌日、ペテロは立って、彼らと一緒に出かけた。ヤッファの兄弟たちも数人同行した。
◎メッセージ【三人の使者とシモン・ペテロ】
《主イエスは、シモン・ペテロに同じ幻を、三回にわたって繰り返し見せたのです。ふと我に返ったペテロは、今見た幻はどういうことだろうか、と一人で思い惑っていた時、コルネリウスが遣わした三人の使者が、皮なめし職人シモンの家に到着したのです。
ペテロは、ユダヤ教からキリスト信仰に変えられましたが、正統的なユダヤ人として生きていたのです。よってコルネリウスの所に行く前に、主はペテロの意識を変換させなければなりませんでした。幻は、まさしく異邦人のことを比喩的に表わしています。
エレミヤは、「異邦人の道を見習うな」と警告しています。また、主イエスが十二弟子を伝道に派遣された時、同じくエレミヤ書から引用され、彼らにこのように命じられたのです。
「異邦人の道に行ってはいけません。また、サマリア人の町に入ってはいけません。イスラエルの家の失われた羊たちのところに行きなさい。」この命令はまだ生きており、十二使徒は主イエスの言葉に従っていたのです。
主は、幻において、ペテロに命じました。
「神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない」と。
かつて、公生涯において、主イエスはすべての食べ物はきよいと言われました。よって、豚を食べても良くなったのです。後にパウロは、こう勧めています。
『信仰の弱い人を受け入れなさい。その意見をさばいてはいけません。ある人は何を食べてもよいと信じていますが、弱い人は野菜しか食べません。食べる人は食べない人を見下してはいけないし、食べない人も食べる人をさばいてはいけません。神がその人を受け入れて下さったのです。』と。
パウロは、ローマ人やギリシャ人が主にある兄弟であるならば、一緒に食事を共にし、また「豚」をも食べたのです。パウロは、一人一人の信仰に任せました。
さて、三人の使者は尋ねます。
「ペテロと呼ばれているシモンはここに泊まっていますか。」
聖霊がシモン・ペテロに語ります。
「見なさい。三人の人があなたを訪ねて来ています。さあ、下に降りて行き、ためらわずに彼らと一緒に行きなさい。」
「あなたがたが探しているのは、この私です。どんなご用でおいでになったのですか。」
「正しい人で、神を恐れ、ユダヤの民全体に評判が良い百人隊長コルネリウスが、あなたを自分の家に招いて、あなたから話を聞くようにと、聖なる御使いから示されました。」
それを聞いたペテロは、すぐにも出発せず、彼らを泊めることにします。それは、ヨッパにいる兄弟に取りなしの祈りをしてもらう為であり、また一緒に同行してくれる者を選ぶ為でした。
さて、主イエスは言われました。「私が彼らを遣わしたのです」と。彼らは主人コルネリウスの影響を受けて、共にユダヤ教徒になっていたと思われます。しかし、まだ主イエスを信じてはいないのです。それにも関わらず、主は言われるのです。「私が彼らを遣わした」と。
主は、このように未信者でも用いられるのです。また、後にペテロを通して、彼らは間違いなく救われ、聖霊が注がれます。よって彼らも、生まれる前から選ばれていたのではないでしょうか。
私たちも主イエスに遣わされた者なのです。そして、主は、「世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいます。」と約束して下さっておられるのです。》