◎本日の聖書箇所【使徒の働き11章27節~30節】(新約p.257下段真中)
11:27 そのころ、預言者たちがエルサレムからアンティオキアに下って来た。
11:28 その中の一人で名をアガボという人が立って、世界中に大飢饉が起こると御霊によって預言し、それがクラウディウス帝の時に起こった。
11:29 弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援の物を送ることに決めた。
11:30 彼らはそれを実行し、バルナバとサウロの手に託して長老たちに送った。
◎メッセージ【大飢饉と愛の支援】
《その頃とは、紀元46年頃の事です。エルサレム教会から預言者たちがアンティオキアに下って来ました。この当時の初代教会時代では、十二使徒と預言者が、おもに用いられていました。使徒パウロは、こう証しています。『神は教会の中に、第一に使徒たち、第二に預言者たち、第三に教師たち、そして力あるわざ、そして癒やしの賜物、援助、管理、種々の異言を備えて下さいました。』と証しています。使徒たちが用いられることは当然でした。なぜなら彼らは、主イエスによって選ばれ、主と共に行動した、十字架と復活の「生き証人」であったからです。次に預言者が用いられていました。その理由を、パウロは、『愛を追い求めなさい。また、御霊の賜物、特に預言することを熱心に求めなさい。預言する人は、人を育てる言葉や勧めや慰めを、人に向かって話します。』と書簡に書き記しています。
それでは、なぜエルサレム教会は預言者たちを送って来たのでしょうか。それは、愛と慰めの人である指導者バルナバを励ます為にです。もちろんバルナバと彼らは顔見知りです。その預言者たちの長が「アガポ」でした。何とバルナバと同じく、主によって選ばれた72人の弟子の中の一人であったことが伝承として伝えられています。
アガポは、世界的規模の大飢饉を預言しました。この時のいわゆる「世界」とは、ローマ帝国の全領土を指しています。ところで、アンティオキア教会は、最初の異邦人教会であって、ディアスポラのユダヤ人もおりましたが、多くはギリシャ人とローマ人の信徒たちであったようです。
果たして、紀元47年頃に世界的規模の大飢饉が起こりました。ここの飢饉はパレスチナ地方、特にエルサレム一帯が最もひどかったと伝えられています。聖霊と信仰と愛と慰めに満ちていたバルナバによって指導されたアンティオキア教会は、その感化もあって、愛と慰めに満ちていました。
「ユダヤに住んでいる兄弟たち」すなわちエルサレム教会の兄弟たちが、飢饉で困窮して苦しんでいることを知ったアンティオキア教会のクリスチャンたちは、早速それぞれの力に応じて、救援物資を送ることを決めたのです。そして教会は、誰第三者に託すのではなく、バルナバとサウロの二人を、送り出したのです。アンティオキアからエルサレムまでは、距離にして500キロ以上離れていましたから、結構大変であったかと思われます。無事にその使命を終えたバルナバとサウロは、バルナバの従兄弟であったヨハネ・マルコを連れて、戻って来たのです。この愛と慰めの支援について、後に使徒パウロは、コリントの人々にこのように勧めています。『私が伝えたいことは、こうです。わずかだけ蒔く者はわずかだけ刈り入れ、豊かに蒔く者は豊かに刈り入れます。一人ひとり、いやいやながらでなく、強いられてでもなく、心で決めたとおりにしなさい。神は、喜んで与える人を愛して下さるのです。
神はあなたがたに、あらゆる恵みをあふれるばかりに与えることがおできになります。あなたがたが、いつもすべてのことに満ち足りて、すべての良いわざにあふれるようになるためです。種蒔く人に種と食べるためのパンを与えて下さる方は、あなたがたの種を備え、増やし、あなたがたの義の実を増し加えて下さいます。あなたがたは、あらゆる点で豊かになって、すべてを惜しみなく与えるようになり、それが私たちを通して神への感謝を生み出すのです。』と。使徒パウロは、まさに与えることの祝福を教えています。
神様の法則は、まず与えることが先決です。なぜなら、主イエス様が私たちにご自身の命を与えて下さったからです。それゆえ、私たちは生かされています。そして「永遠の命」が与えられているのです。》