• 2023年2月19日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【使徒の働き22章22節~30節】(新約聖書p.282下段右側)
    22:22 人々は彼の話をここまで聞いていたが、声を張り上げて言った。「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしておくべきではない。」
    22:23 人々がわめき立て、上着を放り投げ、ちりを空中にまき散らすので、
    22:24 千人隊長は、パウロを兵営の中に引き入れるように命じ、なぜ人々がこのように彼に対して怒鳴っているのかを知るため、むちで打って取り調べるように言った。
    22:25 彼らがむちで打とうとしてパウロの手足を広げたとき、パウロはそばに立っていた百人隊長に言った。「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むちで打ってよいのですか。」
    22:26 これを聞いた百人隊長は、千人隊長のところに行って報告し、「どうなさいますか。あの人はローマ市民です」と言った。
    22:27 そこで、千人隊長はパウロのところに来て言った。「私に言いなさい。あなたはローマ市民なのか。」パウロは「そうです」と答えた。
    22:28 すると千人隊長は言った。「私は多額の金でこの市民権を手に入れたのだ。」パウロは言った。「私は生まれながらの市民です。」
    22:29 そこで、パウロを取り調べようとしていた者たちは、すぐにパウロから身を引いた。千人隊長も、パウロがローマ市民であり、その彼を縛っていたことを知って恐れた。
    22:30 翌日、千人隊長は、パウロがなぜユダヤ人たちに訴えられているのか、確かなことを知りたいと思い、彼の鎖を解いた。そして、祭司長たちと最高法院全体に集まるように命じ、パウロを連れて行って、彼らの前に立たせた。

    ◎メッセージ【パウロと千人隊長】
    《パウロが、主イエスに出会ったこと、そして異邦人に遣わされたことを話し終えた時に、黙って聞いていたユダヤ人たちは、声を張り上げました。
    「こんな男は、地上から除いてしまえ。生かしておくべきではない。」
    人々がわめき立てた為、千人隊長はパウロを兵営の中に引き入れ、なぜ人々が彼に対して怒鳴っているのかを知る為、むちで打って取り調べるように言います。
     エルサレムで起こった騒動から、パウロを守る重要な役割を果たしたのが、ローマ軍のこの千人隊長なのです。「千人隊長」とは、ローマ軍団の将校で、陸軍大佐に相当します。この千人隊長は、エルサレムに駐留するローマ守備隊の指揮官と理解されています。
     ところで、なぜこの千人隊長の名前が書かれていないのでしょうか。私は後に、彼が救われたと考えています。それ故、あえてルカは彼の名前を伏せたに違いありません。
     さて、パウロは鎖で縛られ、今まさにムチ打たれようとした時、初めて自分の身分を明らかにします。側にいた百人隊長に向かって、
    「ローマ市民である者を、裁判にもかけずに、むちで打ってよいのですか。」
    「どうなさいますか。あの人はローマ市民です。」
    「私に言いなさい。あなたはローマ市民なのか。」
    「そうです。」
     ローマ市民とは、もともと貴族に限られていた市民権ですが、紀元前337年には一般市民にも与えられるようになりました。ローマ市民は、投票、士官、判事の判決に反対して議会(後に皇帝)に告訴する権利が与えられ、さらに様々な保証が授けられているのです。
     千人隊長は、パウロに告白します。
    「私は多額の金でこの市民権を手に入れたのだ。」
    「私は生まれながらの市民です。」
     私は、ローマ市民である証拠、あるいは証明する物が市民には与えられていたと信じます。具体的にそれが、何であるのかは分かりかねますが、私は印字(指輪)ではないかと考えます。ともあれ、パウロの自己申告を千人隊長は信じたのです。 
     そこで、パウロを取り調べようとしていた者たちは、すぐにパウロから身を引きました。千人隊長も、パウロがローマ市民であったことを知り、彼を縛っていたことを知って恐れたとあります。ここから、いかに「ローマ市民」であることが、希少価値であり、また身分が保障されていたことが分かります。
     さて、パウロに与えられていた「ローマ市民権」についてですが、パウロの両親が、ローマ軍の天幕の制作の功績によって、カイザルからローマ市民権を授かったと伝えられています。それゆえ、パウロは生まれながらにしてローマ市民であったわけです。
     実は、私たちも同じような立場なのです。主イエスの十字架の購いと復活によって、私たちは罪赦され、神の子どもとされ、永遠の命をいただき、神の国の市民権を授かったのですこれは、私たちが何かを成し遂げたわけではありません。すべては恵みです。
    『また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しにより与えられる望みがどのようなものか、聖徒たちが受け継ぐものがどれほど栄光に富んだものか、また、神の大能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力が、どれほど偉大なものであるかを、知ることができますように。』と、パウロは証ししています。。
     そして、神の国の市民権を証明する証印もすでに与えられています。それは、私たちの中に住んでおられる聖霊様なのです。》

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