• 2023年7月23日礼拝メッセージの概要

    ◎本日の聖書箇所【ルカの福音書1章1節~4節】(新約聖書p.106上段最初)
    1:1 2 私たちの間で成し遂げられた事柄については、初めからの目撃者で、み言葉に仕える者となった人たちが私たちに伝えたとおりのことを、多くの人がまとめて書き上げようとすでに試みています。
    1:3 私も、すべてのことを初めから綿密に調べていますから、尊敬するテオフィロ様、あなたのために、順序立てて書いて差し上げるのがよいと思います。
    1:4 それによって、すでにお受けになった教えが確かであることを、あなたによく分かっていただきたいと思います。

    ◎メッセージ【ルカの福音書】
    《今日からルカの福音書に入ります。ルカとはどのような人物でしょうか。使徒の働きの13章には興味深い記事が残されています。
    『さて、アンティオキアには、そこにある教会に、バルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、クレネ人ルキオ、領主ヘロデの乳兄弟マナエン、サウロなどの預言者や教師がいた。』と。 この教会は、慰めの子と言われた「バルナバ」が始めました。しかも彼は、主イエスの十二使徒に次ぐ、60人の弟子の一人であったと伝えられています。
     また、イスカリオテのユダの跡を継ぐ使徒職として、くじによって選ばれたマッティアと共にバルサバと呼ばれ別名をユストと言うヨセフは、バルナバと同一人物とも考えられます。 なぜならバルナバも本名はヨセフだからです。となりますと、主イエスの公生涯のほとんどを、行動を共にしていたことになります。
     そして、ニゲルと呼ばれたシメオンは、主イエスの十字架を代わりに担ぎ、ゴルゴタの丘にまで登った者であり、おそらく主の十字架刑を最初から最後まで、家族と一緒に見送った人物です。そして、領主ヘロデ・アンティパスの乳兄弟マナエンとは、宮殿の出来事に相当詳しい人物であるとも考えられます。
     そして、クレネ人ルッキオです。ルカは異邦人ですから、クレネ出身であってもおかしくはありません。ルッキオを省略したのがルカで、医者ルカと同一人物であるとも考えられます。要するに、アンティオキア教会には、福音書を書く為に必要な情報を提供できる重要人物が、聖霊によって集められていたことが分かります。
     また、「多くの人がまとめて書き上げよう」と試みていることから、マルコとマタイの福音書もまだ執筆中であった可能性が考えられます。
     そして、テオフィロ(テオピロ)とは、「ルカの福音書」と「使徒の働き」が献呈された人物で、「神の友」という意味です。また、「尊敬する」と言う原語は、「閣下」と同じであり、ローマ社会の重要な地位にあった人物と思われます。「すでに教えを受けられた事がら」とあるように、クリスチャンである可能性は非常に高いと思われます。
     それゆえルカは彼に、正確で順序立てて、主イエス・キリストと教会のことを伝える必要があったのです。もし、テオフィロがいなければ、福音書と使徒の働きは生まれなかったかも知れません。
     ローマにおけるパウロの二年間の裁判待機期間中、ルカはそこで、パウロの世話をしながら、パウロの監修のもとに、ついに二つの書物を完成させます。特に、使徒の働きが、中途で終わっていることから、パウロが釈放される直前まで描いていたとも考えられます。
     次ぎに、なぜ聖霊は、この二つの書物をルカを通して執筆させたのでしょうか。それは、テオフィロの為でもありましたが、一番の理由は、エルサレム初代教会の為なのです。
     主イエスの預言がなかったとしたら、エルサレム教会は、紀元70年のエルサレム陥落の時に、滅びたはずなのです。ルカはその預言をしっかりと書き残しています。
    『「しかし、エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、そのときには、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。そのとき、ユダヤにいる人たちは山へ逃げなさい。都の中にいる人たちはそこから出て行きなさい。田舎にいる人たちは都に入ってはいけません。」』と。この言葉に聞き従った者は、助かって命を得ることが出来たのです。》

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