◎本日の聖書箇所【ルカの福音書8章1節~3節】(新約聖書p.126下段左端)
8:1 その後、イエスは町や村を巡って神の国を説き、福音を宣べ伝えられた。十二人もお供をした。
8:2 また、悪霊や病気を治してもらった女たち、すなわち、七つの悪霊を追い出してもらったマグダラの女と呼ばれるマリア、
8:3 ヘロデの執事クーザの妻ヨハンナ、スザンナ、そのほか多くの女たちも一緒であった。彼女たちは、自分の財産をもって彼らに仕えていた。
◎メッセージ【主イエスに仕える女たち】
《ルカは、主イエスと十二弟子たちと共に行動した女性たちの名前を書き記しています。まず一番最初に「マグダラのマリア」の名前を挙げています。この女性には、七つの悪霊が宿っていたとのことです。多くの学者は彼女が遊女であったと考えていますが、その点については、実は聖書は何も明らかにはしてはおりません。
特に彼女は、主が十字架につけられた時には、主の十字架のみ側にいました。また、アリマタヤのヨセフが主の体を埋葬する時にも、墓までついて行きました。そして、主イエスが復活されたその日の朝には、誰よりも早く園の墓に来ていましたし、そこで二人の御使いからメッセージを託され、ペテロとヨハネに、主の復活を報告し再び墓に戻り、まっ先に主イエスが、そのお姿を現わされたのも、彼女でした。
彼女は、主イエスに悪霊から解放させてもらい、救われ、まさしくすべてを捧げて、主と弟子たちに仕えていたことがわかります。
また、ヘロデ・アンティパスの執事クーザの妻ヨハンナとスザンナは、主イエスによって病い癒され、マグダラのマリアと、同一行動をしていたことが分かります。
彼女たちも、主イエスが復活された「週の初めの日の朝」に主の墓に行き、そこで御使いと出会い、ベタニアのマルタの家に潜んでいた、9人の使徒の所に報告に行きます。
スザンナは、ここでしか登場しませんが、当時のキリスト教会においては、かなり名の知られた重要な人物の可能性が高く、ルカはあえて彼女の名前をここに書き記したのではないかと考えられています。
ところで、ここに登場する「ヘロデの執事クーザ」の妻ヨハンナですが、このヘロデとは、バプテスマのヨハネを殺害した「ヘロデ・アンティパス」のことを指しています。
実は、当時のクリスチャンの中には、もう一人、ヘロデ・アンティパスの部下が存在していたことが、聖書から分かります。それが、使徒の働きに登場する、「領主ヘロデの乳兄弟マナエン」なのです。
おそらく、この二人を通して宮廷内の様々な出来事が、弟子たちに伝えられたと思われます。
さて、当時のイスラエルは、女性の仕事はあまり顧みられてはいませんでした。しかし、8章3節には、「彼女たちは、自分の財産をもって彼らに仕えていた」とありますように、主イエスと弟子たちの食事や洗濯などの身の回りの世話をしたと思われます。
まさしく、表舞台には出てこない裏方の仕事でもあります。しかし彼女たちの働きがあったからこそ、主イエスと弟子たちは、三年半にもおよぶ公生涯を全うすることが出来たのです。
そして、そればかりではなく、主イエスの復活の証人として、後に大いに用いられたに違いありません。》